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ZOO AND WILDLIFE MEDICEINE ABSTRACTS – VOLUME 35, ISSUE 2

 

チータ(Acinonyx jubatus jubatus)における糸球体濾過率、腎血漿流量、および内因性クレアチニンクリアランスの測定値

Measurement of Glomerular Filtration Rate, Renal Plasma Flow and Endogenous Creatinine Clearance in Cheetahs (Acinonyx jubatus jubatus)

 

Erin Hall Holder D.V.M., Scott B. Citino D.V.M., Dipl. A.C.Z.M., Nancy Businga R.V.T., Leslie Cartier B.S., and Scott A. Brown V.M.D., Ph.D.

 

175~178ページ

 

要旨: 13頭の飼育チータ(Acinonyx jubatus jubatus、雌7、雄6、1.57.5歳、平均年齢5.02歳)において、テラゾル(Telazol®)およびイソフルレンによる全身麻酔下で、イヌリン、パラアミノ馬尿酸、および内因性クレアチニンの尿クリアランスを測定し、それぞれ糸球体濾過率、腎血漿流量、および内因性クレアチニンクリアランス値を決定した。飼育下のチータにおける糸球体濾過率、腎血漿流量、内因性クレアチニンクリアランスの測定法を評価し、また、糸球体濾過率とクレアチニンクリアランスの関係を明らかにした。測定中、糸球体濾過率と腎血漿流量は安定しており、それぞれ1.59 ± 0.17 ml/min/kg B.W.および 5.12 ± 1.15 ml/min/kg B.W.であった。クレアチニンクリアランスの平均値(1.47 ± 0.20 ml/min/kg B.W.)は対応する糸球体濾過率よりも明らかに低値を示したが、両者の平均差(0.11 ±0.02 ml/min/kg B.W.)は僅かであり、また両者は高い相関性を示した(R2 = 0.928; P<0.0001)。チータではクレアチニンクリアランスの測定値から、信頼性を持って糸球体濾過率を推定できると考えられ、これはチータにおける腎疾患の早期発見を促進するものである。

 

キーワード: Acinonyx jubatus jubatus, チータ(cheetah)、腎疾患(renal disease)、糸球体濾過率(glomerular filtration rate)、腎血漿流量(renal plasma flow)、内因性クレアチニンクリアランス(endogenous creatinine clearance

 

 

飼育カリフォルニアアシカ(Zalophus californianus)の鼻閉塞治療へのレーザー内視鏡(鼻鏡)術の使用

Use of Laser Rhinoscopy to Treat a Nasal Obstruction in a Captive California Sea Lion (Zalophus californianus)

 

Johanna Sherrill, D.V.M., M.S., George M. Peavy, D.V.M., D.A.B.V.P., Mark J. Kopit, D.V.M., Michael M. Garner, D.V.M., D.A.C.V.P., Chris H. Gardiner, Ph.D., and Lance M. Adams, D.V.M.

 

232~241ページ

 

要旨: 飼育下のカリフォルニアアシカ(Zalophus californianus)の鼻閉塞治療にレーザー内視鏡(鼻鏡)術を用いた。カリフォルニア・ロングビーチのパシフィック水族館でリハビリを受けたメスの成獣に、搬入後20ヶ月で両側性の粘液膿性の間欠性鼻汁が見られた。厚さ3mmの軟組織構造物が軟口蓋と硬口蓋の間に広がっており、鼻中隔彎曲と複数の鼻咽頭ポリープが見られた。閉塞物の生検および培養により、化膿性炎および細菌感染を伴った潰瘍性肉芽組織が見られ、節足動物の幼虫(種は同定していない)の一部も確認された。レーザー内視鏡術により鼻咽頭尾側の閉塞を解消し、ポリープを切除した。このアシカは、術後6週間は鼻孔を通して呼吸しており、鼻汁排出も減少したが、8週間後には粘液膿性の鼻汁排出が再開し、閉塞も再発したため安楽死した。剖検では、生存中からの炎症性組織による二次的な鼻咽頭尾側の閉塞が診断されたが、鏡検では寄生節足動物の一部と見られるものは確認されなかった。

 

キーワード: Zalophus californianus, アシカ(sea lion)、鼻汁(nasal discharge)、鼻咽頭塊(nasopharyngeal mass)、鼻ハエウジ症(nasal myiasis)、レーザー内視鏡術(laser rhinoscopy

 

 

ヘリコバクター感染のチータ(Acinonyx jubastus)における13C尿素呼気試験の検証

Validation of the 13C-Urea Breath Test for Use in Cheetahs (Acinonyx jubatus) with Helocobacter

 

Jenifer Chatfield, D.V.M., Scott Citino, D.V.M., Dipl. A.C.Z.M., Linda Munson, D.V.M., Ph.D., Dipl. A.C.V.P.,  and Stanley Konopka, Ph.D.

 

137~141ページ

 

要旨: 従来、チータ(Acinonyx jubatus)における胃炎を伴ったヘリコバクター感染において、その根絶療法の経過をモニタリングする方法は内視鏡による生検のみであった。13C尿素呼気試験は、モニタリングのため繰り返し行う生検に代わりうるものである。実験には雌雄各5頭のチータと雄のスマトラトラ(Panthera tigris1頭を使用したが、いずれの個体も実験前後で臨床的に健康であった。胃食道チューブにより濃縮13C尿素溶液を投与し、その前後で終期呼気試料を採取した。尿素溶液投与後10分,20分,30分、および40分に、呼気試料20mlをそれぞれ採取した。呼気の分析結果は、呼気試験時に採取された胃生検サンプルの急速ウレアーゼ試験、組織病理学的検査、およびスタンプ標本検査の各結果と比較した。本実験での13C尿素呼気試験の感度および特異性は100%であり、また正の予測値および負の予測値も100%であった。13C尿素呼気試験は胃粘膜におけるヘリコバクターの存在をモニタリングする非侵襲性の診断法であるが、チータにおけるヘリコバクターの最初の診断や、胃炎の程度の確認、病状の進行のモニタリングには、やはり内視鏡検査を行うべきである。13C尿素呼気試験は、臨床的胃炎の治療過程でのヘリコバクター根絶のモニタリングに、有効簡便で正確、かつ高感度の検査法である。

 

キーワード: チータ(cheetah)、尿素呼気試験(urea breath test)、胃炎(gastritis)、ヘリコバクター(Helicobacter)、Acinonyx jubatus

 

 

チンパンジー(Pan troglodytes)における脳梗塞の診断治療例

Diagnosis and Treatment of a Cerebral Infract in a Chimpanzee (Pan troglodytes)

 

Pilar H. Fish, D.V.M., James W. Carpenter, M.S., D.V.M., Dipl. A.C.Z.M., and Susan Kraft, D.V.M., Ph.D., Dipl. A.C.V.R.

 

203~207ページ

 

要旨: 29歳のチンパンジー(Pan troglodytes)が右側顔面および前腕の急性不全麻痺を呈したが、24時間後には全麻痺へと進行し、左脚の不全麻痺が続発した。頭部の磁気共鳴画像診断(MRI)により、左大脳半球の前頭、頭頂、および側頭部の中大脳動脈支配域に相当する部位に、信号強度の増加した異常領域が見られ、その結果左側脳室の圧迫が生じていた。これらの所見は脳梗塞(脳卒中)と一致するものであった。MRIは脳の虚血性変化を初期に検出するには最も感度の高い検査法であり、今回のケースで診断を得るには不可欠であった。チンパンジーはアスピリンを用いた長期的抗凝血療法と、投与量を徐々に落としながらのプレドニゾンの短期投与によく反応し、全身の運動能力を完全に回復した。

 

キーワード: チンパンジー(chimpanzee)、Pan troglodytes, 脳梗塞(cerebral infarct)、MRImagnetic resonance imaging)、中大脳動脈(middle cerebral artery

 

 

飼育ヨツユビハリネズミ(Ateleris albiventris)の子宮に見られた自発性増殖性病変および腫瘍

Spontaneous Proliferative Lesions and Tumors of the Uterus of Captive African Hedgehogs (Atelerix albiventris)

 

Igor Mikaelian, D.V.M., M.Sc., Dipl. A.C.V.P., and Drury R. Reavill, D.V.M., Dipl. A.B.V.P.-Avian Practice, Dipl. A.C.V.P.

 

216~220ページ

 

要旨: 3~5歳の飼育ヨツユビハリネズミ(Atlerix albiventris)の雌15頭が、増殖性子宮病変と診断された(n = 28)。病変は全症例で膣出血を伴い、13例中11例で血尿、また12例中7例で体重低下が見られた。8例では複数の病変が見られたが、7例では病変は1つのみであった。これらの病変の分類は、腺肉腫13例、子宮内膜間質部肉腫7例、子宮内膜ポリープ6例、腺平滑筋肉腫1例、腺平滑筋腫1例であった。腺肉腫を呈した1個体では、子宮摘出時に腹膜への播種が見られた。術後の平均生存日数は303日であった(n = 10)。卵巣子宮摘出術は子宮腫瘍のハリネズミの生存期間を延長させるものである。

 

キーワード: Atelerix albiventris, ハリネズミ(hedgehog)、子宮内膜(endometrium)、腫瘍形成(neoplasia)、腫瘍(tumor)、子宮(uterus

 

 

サーカスのトラ(Panthera tigris)の輸送環境調査

Survey of Transport Environments of Circus Tiger (Panthera tigris)

 

Christian H. Nevill, M.S., Ted H. Friend, Ph.D., Dipl. A.C.A.A.B.S., and Michael J. Toscano, M.S.

 

167~174ページ

 

要旨: 6つのサーカス団について、トラの輸送に用いられている設備、輸送中に遭遇する環境要因、および輸送中のトラの体温変化を、高温および低温環境で調べた。データロガーにより、各輸送中の内部および外部温度、相対湿度、および放射熱を5分間隔で記録した。体温を記録するためにマイクロ・データロガーをトラに飲み込ませ、4つのサーカス団のベンガルトラ(Panthera tigris tigris)、シベリアトラ(P. t. altaica)、ベンガルトラとスマトラトラの雑種(P. t. tigris / P. t. sumatrae)の計8頭から回収した。サーカス団が使用していたトラ輸送の基本タイプは次の3つであった: 車輪付きの独立したケージを輸送用のセミトレーラーにウィンチで巻き上げて収納する/押し入れる、トレーラーに作りつけのケージを設置する、または全天候型ユニットを平台軌道車あるいは平台トラックトレーラーで輸送する。高温環境下のトレーラー内部で記録された最高温度は37.3℃であったが、全体としては、温度は通常21.1~26.7℃であった。トレーラー内部の温度はその動きに影響はされず、また通常は外部気温を越えることはなく、十分な遮蔽効果と受動換気があったことが示唆された。低温環境下でのトレーラー内の最低気温は-1.1℃であったが、これは輸送中に一晩停車した時に記録された。低温環境下のトレーラーの内部温度は2~6℃に留まり、外気温よりも高かった。トラの体温は極度の高温および低温に影響されることはなかったが、いくつかのトラのグループで、積み込みの際に興奮して1~2℃の体温上昇が見られたのが唯一見られた変化で、これは高温時、低温時にかかわらずに観察された。二酸化炭素およびアンモニアはそれぞれ検知可能濃度の10 ppm1 ppmを下回っており、検知されなかった。全般的に見て、輸送はトラの体温調節能力に悪影響をおよぼしているとは考えられなかった。

 

キーワード: 体温(body temperature)、サーカス(circus)、データロガー(detalogger)、Panthera tigris, トラ(tiger)、輸送(transport

 

 

アジアゾウ(Elepas maximus)の幼獣における臍ヘルニア縫合術例

Umbilical Herniorrhaphy in a Juvenile Asian Elephant (Elephas maximus)

 

Noha Abou-Madi, D.M.V., M.Sc., George V. Kollias, Ph.D., D.V.M., Dipl. A.C.Z.M.,  Richard P.  Hackett, D.V.M., M.S., Dipl. A.C.V.S.,  Norm G.  Ducharme, D.M.V., M.Sc., Dipl. A.C.V.S., Robin D. Gleed, B.V.Sc., Dipl. A.C.V.A., and John P. Moakler.

 

221~225ページ

 

要旨: 身体検査および超音波診断により、生後2週令のアジアゾウ(Elephas maximus)が臍ヘルニアと診断された。欠損が大きく(長さ約7cm、深さ約10cm)、また腸管の嵌頓を引き起こす可能性があったため、臍ヘルニア縫合術が行われた。全身麻酔はケタミンとキシラジンの混合で導入を行い、酸素供給下でイソフルレンにより維持した。ヘルニア嚢を調べたところ、線維組織および脂肪を含み、腸管も巻き込まれてはいたが癒着は見られなかった。ヘルニア嚢を切除し、単純接合縫合により体壁を閉鎖した。手術部位の浅存性感染は見られたが、その後は合併症もなく治癒した。

 

キーワード: Elephas maximus、アジアゾウ(Asian elephant)、臍ヘルニア(umbilical hernia)、外科手術(surgery)、麻酔(anesthesia

 

 

コンピュータ断層撮影法によるカメ類の骨格損傷の診断

Diagnosis of Skeletal Injuries in Chelonians Using Computed Tomography

 

Noha Abou-Madi, D.M.V., M.Sc., Peter V. Scrivani, D.V.M., Dipl. A.C.V.R., George V. Kollias, D.V.M., Ph.D., Dipl. A.C.Z.M., and Sonia M. Hernandez-Divers, D.V.M., Dipl. A.C.Z.M.

 

226~231ページ

 

要旨: コンピュータ断層撮影法を用いて、1頭のホウシャガメ(Geochelone radiata)の跛行原因の診断、および2頭のカミツキガメ(Chelydra serpentina)の甲板および骨格の損傷程度の決定を行った。ゾウガメの跛行は右肩関節の脱臼が原因と判明したが、単純直接撮影では発見できなかった。1頭のカミツキガメでは体軸および四肢の骨折が見られたが、これも単純直接撮影では発見できなかった。両個体ともコンピュータ断層撮影で得られた情報は、診断、治療および予後に関する重要情報をもたらすものであった。

 

キーワード: カメ類(chelonian)、コンピュータ断層撮影法(computer tomography

 

 

フロリダの動物園におけるコモドオオトカゲ(Varanus komodoensis)展示施設の外来ダニ(Aponomma komodoense)寄生コントロール

Control of an Exotic Tick (Aponomma komodoense) Infestation in a Komodo Dragon (Varanus komodoensis) Exhibit at a Zoo in Florida

 

Michael J. Burridge, B.V.M.&S., Ph.D., Leigh-Anne Simmons, B.S., and Thomas Condie

 

248~249ページ

 

要旨: フロリダの動物園において、3頭のコモドオオトカゲ(Varanus komodoensis)における外来ダニ(Aponomma komodoense)寄生を、駆除薬を直接投与することなくコントロールするためのプロトコールを確立した。コモドオオトカゲを屋内飼育室に収容した上で、爬虫類用に特別に調整したペルメトリンを屋外ケージおよび展示スペースに噴霧した。駆除剤の乾燥後、コモドオオトカゲを屋外展示スペースに移し、先と同様の駆除剤を屋内飼育室にも噴霧した。初回の噴霧に続いて、その後6ヶ月間、屋外および屋内エリアへの同様の噴霧をそれぞれ隔週、8~10週に1度繰り返した。6ヵ月後には、宿主寄生ダニおよび落下ダニの数は、301から0へと減少した。この駆除剤による処置のトカゲに対する有害作用は、日常観察においては見られなかった。

 

キーワード: コモドオオトカゲ(Komodo dragons)、Varanus komodoensis、外来ダニ(exotic ticks)、Aponomma komodense、ダニコントロール(tick control)、ペルメトリン(permethrin)、動物園(zoo

 

 

インドサイ(Rhinoceros unicornis)の直腸脱の外科的処置例

Surgical Management of Rectal Prolapse in an Indian Rhinoceros (Rhinoceros unicornis)

 

Mads F. Bertelsen, D.V.M., D.V.Sc., Rolf-Arne Ølberg, D.V.M., Kay G. Mehren, D.V.M., Dipl. A.C.Z.M., Dale A. Smith, D.V.M., D.V.Sc., and Graham J. Crawshaw, B.Vet.Med., Dipl. A.C.Z.M.

 

245~247ページ

 

要旨: 26歳のインドサイ(Rhinoceros unicrnis)に見られた急性直腸脱を粘膜切除によって外科的に治療した。相当量の出血による縫合線の開裂が見られたが、術後2日目に2度目の不動化を行い、結紮および止血により処置した。非ステロイド系抗炎症薬と利尿薬の処方により、粘膜浮腫を軽減し、直腸脱の再発を予防した。またこのサイにつては、ブトルファノールとデトミジンの併用により、非常に良好な化学的不動化からの回復が見られた。

 

キーワード: インドサイ(Indian rhinoceros)、Rhinoceros unicornis、直腸脱(rectal prolapse)、粘膜切除(mucosal resection

 

 

リコンビナントF1-V融合蛋白のクロアシイタチ(Mustela nigripes)における病原性Yersinia pestis感染に対する防御作用

Recombinant F1-V Fusion Protein Protects Black-Footed Ferrets (Mustela nigripes) against Virulent Yersinia pestis Infection

 

Tonie E. Rocke, M.S., Ph.D., Jordan Mencher, D.V.M., M.S., Susan R. Smith, B.S., Arthur M. Friedlander, M.D., Gerard P. Andrews, Ph.D., and Laurie A. Baeten, D.V.M.

 

142~145ページ

 

要旨: クロアシイタチ(Mustela nigripes)は細菌Yersinia pestisに起因する森林ペストに極めて感受性が高く、従来分布域へのイタチ個体群の回復努力が大きく阻害されてきた。アメリカ陸軍感染症医学研究所の職員が開発した、F1-Vと呼ばれるリコンビナント蛋白ワクチンを用いたイタチへの予防接種の有効性を検証する実験を行った。7頭の繁殖後の雌のクロアシイタチにワクチン接種を行い、23日目および154日目にはそれぞれブースター接種を行った。3頭のイタチには、コントロールとしてプラシーボを接種した。ワクチン接種群におけるF1およびV抗原に対する抗体価は、コントロール群に比べて明らかに高い値を示した。病原性ペストの7,800コロニー形成単位を皮下注射により接種したところ、コントロール群の3個体は死亡したのに対し、ワクチン接種群では7個体中6個体が病的影響なく生き残ったが、残りの1個体は8日目に死亡した。これらの結果は、クロアシイタチはノミ咬傷と同経路の皮下接種によって、ペストに対する免疫が惹起されることが示唆された。

 

キーワード: クロアシイタチ(black-footed ferret)、Mustela nigripes、ペスト(plague)、ワクチン接種(vaccination)、Yersinia pestis

 

 

オウム類2種(Cacatua albaおよびNymphicus hollandicus)に見られた外傷誘発性動脈瘤性骨嚢胞

Trauma-Induced Aneurysmal Bone Cysts in Two Psittacine Species (Cacatua alba and Nymphicus hollandicus)

 

J. Jill Heatley D.V.M., M.S., Dipl. A.B.V.P. (Avian), Thomas N. Tully, Jr., D.V.M., M.S. Dipl. A.B.V.P. (Avian), Dipl. E.C.A.M.S., Mark A. Mitchell, D.V.M., Ph.D., Beth P. Partington, D.V.M., M.S., Dipl. A.C.V.R., and H. Wayne Taylor, D.V.M., Ph.D., Dipl. A.C.V.P.

 

185~196ページ

 

要旨: 1羽のタイハクオウム(Cacatua alba)と2羽のオカメインコ(Nymphicus hollandicus)の頭部または翼の関節に、急速に成長する塊が見られた。うち2例で、過去に外傷を受けていることが確認された。全ての罹患鳥は2歳を越えており、2羽は雌であった。2例において塊からの吸引採取液を細胞学的に検査したところ、細胞学的には漿液血液性であったが、炎症および新生物、または微生物は認められなかった。これらの塊のX線検査では、骨の増殖と融解が見られ、腫瘍形成過程であることが示唆された。外科的に切除した組織片の組織病理学的検査では、全ての症例で増殖性の新生骨組織が見られた一方で腫瘍組織はなく、所見は動脈瘤性骨嚢胞形成と一致するものであった。他のコンパニオンアニマルでは、動脈瘤性骨嚢胞の予後については慎重を要すると報告されているが、これらの症例での結果は、オウム目における本疾患の予後は良好であることを示唆している。動脈瘤性骨嚢胞の確定診断には、外科的完全切除および組織病理学的検査を行うことが推奨される。患部の過度の動きの制限および二次感染の予防には、それぞれ術後の包帯および抗生物質の適正使用が望ましい。

 

キーワード: Cacatua albaNymphicus hollandicus、外傷(trauma)、動脈瘤性骨嚢胞(aneurysmal bone cyst)、オウム類(psittacine

 

 

スマトラトラ(Panthera tigris sumatrae)の線維軟骨性塞栓性ミエロパシー

Fibrocartilaginous Embolic Myelopathy in a Sumatran Tiger (Panthera tigris sumatrae)

 

John M. Adaska, D.V.M., M.P.V.M., Dipl. A.C.V.P., and Susan Lynch, D.V.M.

 

242~244ページ

 

要旨: 飼育下繁殖のスマトラトラPanthera tigris smatrae)の成獣が、およそ3ヶ月に渡って運動失調を示し、急性に片側性不全麻痺およびホルネル症候群を発症した後には自傷が見られた。頚椎部脊髄の組織病変は、線維軟骨性塞栓性ミエロパシー(FCEM)と一致するもので、脊髄血管には軟骨性閉塞が見られた。本症例は大型ネコ科動物、および具体的にはスマトラトラにおいて初めてのFCEM報告例である。

 

キーワード: 線維軟骨性塞栓性ミエロパシー(fibrocartilaginous embolic myelopathy)、Panthera tigris smatrae、トラ(tiger

 

 

スマトラトラ(Panthera tigris smatrae)に見られた硬膜外血腫による二次性不全麻痺

Paresis Secondary to an Extradural Hematoma in a Sumatran Tiger (Panthera tigris sumatrae)

 

Cornelia J. Ketz-Riley, D.V.M., David S. Galloway, D.V.M., John P. Hoover, D.V.M., Dipl. A.B.V.P., Dipl. A.C.V.I.M., Mark C. Rochat, D.V.M., Dipl. A.C.V.S., Robert J. Bahr, D.V.M., Dipl. A.C.V.R., Jerry W. Ritchey, D.V.M., Ph.D., Dipl. A.C.V.P., and David L. Caudell, D.V.M.

 

208~215ページ

 

要旨: 15歳の雌のスマトラトラ(Panthra tigris smatrae)が3週間にわたる進行性の後肢脱力を示し、オクラホマ州立大学ボーレン動物病院に搬入された。神経学的検査は、トラの後肢にみられた意識的固有感覚障害を伴った脱力と運動失調を示したビデオテープを見るに留まった。脊髄のX線画像では、椎間板スペースの狭小化がみられ、また脊髄造影によって第2、第3腰椎部に大きな硬膜外圧迫性病変が認められた。コンピュータ断層撮影では、骨の関与は明らかにされなかった。脊髄への圧迫を取り除くために外科手術が施され、確定診断が下された。腰椎へは背側からアプローチし、右側半椎弓切除術が行われた。組織学的検査により、その塊は硬化した硬膜外脊髄血腫と判明したが、椎間板ヘルニアに伴って二次的に発生したものと思われた。血腫の不完全な切除および脊髄の塑性変性にもかかわらず、トラは術後3週間で正常な歩行機能を取り戻した。

 

キーワード: スマトラトラ(Sumatran tiger)、Panthera tigris smatrae、不全麻痺(paresis)、椎間板ヘルニア(dick herniation)、脊髄造影(myelography)、コンピュータ断層撮影(computed tomography)、半椎弓切除術(hemilaminectomy

 

 

コモンリスザル(Saimiri sciureus)およびボンネットモンキー(Macaca radiata)の外傷性脱臼の整復

Traumatic Elbow Luxation Repair in a Common Squirrel Monkey (Saimiri sciureus) and a Bonnet Macaque (Macaca radiata)

 

James F. X. Wellehan, D.V.M., M.S., Maud Lafortune, D.V.M., M.Sc., and Darryl J. Heard, B.V.M.S., Ph.D., Dipl. A.C.Z.M.

 

197~202ページ

 

要旨: 各1頭のコモンリスザル(Saimiri sciurus)およびボンネットモンキー(Macaca radiata)が肘の外傷性脱臼と診断された。コモンリスザルの脱臼は尺骨骨折を伴っており、非観血的整復を試みたが固定できなかった。そのため脱臼は外科的に整復し、関節を渡す形でタイプⅠ創外固定を施した。ボンネットモンキーでは非観血的整復をおこない、肘はギプスによって固定した。両ケースとも、負傷した肘には良好な機能回復が見られた。

 

キーワード: 肘(elbow)、肘関節(cubital joint)、脱臼(luxation)、霊長類(primate)、Saimiri sciurusMacaca radiata

 

 

シャチ(Orcinus orca)およびシロイルカ(Delphinapterus leucas)におけるアミカシンの薬物動態の比較

Comparison of Amikacin Pharmacokineticis in a Killer Whale (Orcinus orca) and a Beluga Whale (Delphinapterus leucas)

 

Butch KuKanich, D.V.M., Mark Papich, D.V.M., M.S., Dipl. A.C.V.C.P., David Huff, D.V.M., and Michael Stoskopf, D.V.M., Ph.D., Dipl. A.C.Z.M.

 

179~184ページ

 

要旨: グラム陰性好気性菌感染の臨床症状を示したシャチ(Orcinus orca)およびシロイルカ(Delphinapterus leucas)各1頭に、アミノグリコシド系抗生物質であるアミカシンを治療目的で投与した。投与量は、病原菌に対する最小発育阻止濃度の8~10倍の最大血漿中濃度を目標として設定し、またアミノグリコシドの毒性リスクを軽減するように調整した。報告されている成獣における薬物動態パラメータのアロメトリー解析から、アミカシンの分布容(Vd)はミリリットル単位で、Vd = 151.058(体重)1.043の等式で表された。アミカシンの初回投与量は、分布容と目標最大濃度の計算によって推測した。この情報に基づき、筋肉内投与量の処方計画を、それぞれシャチおよびシロイルカについて作成した。薬物治療管理は、各個体の薬物動態パラメータを調べることで行った。シャチについては、半減期5.99時間、生体利用度あたりの分布容319 ml/kg、生体利用度あたりのクリアランス0.61 ml/min/kgが得られた。またシロイルカについては、半減期5.03時間、生体利用度あたりの分布容229 ml/kg、生体利用度あたりのクリアランス0.53 ml/min/kgが得られた。両種のアロメトリー式から予測された分布容は、計算で求められた薬物動態パラメータと同様のものであった。生化学的パネルで正常な腎パラメータが示されたにもかかわらず、両種とも他種の動物と比較して長い半減期が認められた。本症例では薬物毒性を避けるための正確な投与量の決定に、アロメトリー則および薬物治療管理を使用した。

 

キーワード: アミノグリコシド(aminoglycoside)、アミカシン(amikacin)、Delphinapterus leucas、薬物動態(pharmacokinetics)、鯨類(whale)、Orcinus orca

 

 

類人猿3種におけるフェンタニルの経粘膜投与後の臨床効果と血漿中濃度

Clinical Effects and Plasma Concentration of Fentanyl fter Transmucosal Administration in Three Species of Grate Ape

 

Robert P. Hunter, M.S., Ph.D., Ramiro Isaza, D.V.M., M.S., Dipl. A.C.Z.M., James W. Carpenter, M.S., D.V.M., Dipl. A.C.Z.M., and David E. Koch, M.S.

 

162~166ページ

 

要旨: フェンタニルは、米国では小児科患者の前麻酔薬として、また成人においては癌による抑えがたい痛みに対して経粘膜投与が承認されている。この投与形式を3種の類人猿に用いて、8頭のオランウータン(Pongo pygmaeus)、9頭のチンパンジー(Pan troglodytes)、および2頭のゴリラ(Gorilla gorilla)に、推定体重に基づいて10~15μg/kgのフェンタニルを経粘膜投与した。これらの動物には、一晩の絶食の後に褒美としてキャンディーをプラシーボとして与え、それをゆっくりと舐めるように訓練した。実験当日には、フェンタニルを棒付きキャンディーの形で与えた。投与後のフェンタニルの血漿中濃度は、人で報告されているように経粘膜吸収が行われたことを支持するものであった。本研究によって類人猿における鎮静の代替法が提示され、またフェンタニルの半減期に関するデータも得られた。オランウータンおよびゴリラの鎮静には、フェンタニルの経粘膜投与は有効であったが、チンパンジーでは化学的不動化の前に本投与法をよく受付けたとは言えず、また受付けるか否かも予測不能であった。

 

キーワード: フェンタニル(fentanyl)、経粘膜(transmucosal)、オランウータン(Pongo pygmaeus)、チンパンジー(Pan troglodytes)、ゴリラ(Gorilla gorilla

 

 

抗スポロゾイト周囲蛋白DNAワクチンを用いた飼育ケープペンギン(Spheniscus demersus)の鳥マラリアに対する防御実験の予備結果

Preliminary Results of an Anticircumsporozoite DNA Vaccine Trial for Protection against Avian Malaria in Captive African Black-footed Penguins (Spheniscus demersus)

 

K. Christiana Grim, D.V.M., Thomas McCutchan, Ph.D., Jun Li, M.D., Ph.D., Margery Sullivan, B.A., Thaddeus K. Graczyk, Ph.D., Glenn McConkey, Ph.D., and Michael Granfield, D.V.M.

 

154~161ページ

 

要旨: ボルチモア動物園で屋外飼育されているケープペンギン(Spheniscus demersus)は、厳しいモニタリングと化学療法の介入なしには、鳥マラリア(Plasmodium sp.)感染によって毎年その幼鳥の平均50%が死亡する。1996年のマラリア伝播期に、Plasmodium gallinaceumのスポロゾイト周囲蛋白(CSP)を組み込んだ抗CSPDNAワクチンのP. relictumに対する安全性と有効性を検証した。目標とするものは、固有の鳥マラリアが常在しているエリアに放鳥後、免疫が惹起されずに発生する臨床症状や死亡を減少させることである。接種したペンギンは、ワクチンの副作用として臨床症状が出ないか監視し、また、抗CPS抗体反応の刺激およびワクチンによる防御作用についてもモニタリングを行った。ペンギンの飼育施設で捕獲したカ科のカにおいてP. relicyumの存在をモニタリングし、寄生圧を調査した。ワクチン接種されたペンギンでは、カの感染率から決定した寄生圧が非常に高いにもかかわらず、寄生虫血症の割合が約50%から約17%に減少した。ワクチン接種実験を行った年にはマラリアによる死亡は無く、またワクチンの副作用も見られなかった。本実験は、飼育下のペンギンコロニーにおける初めての抗マラリアワクチン接種試験である。

 

キーワード: 鳥マラリア(avian malaria)、Plasmodium relictum、スポロゾイト周囲(circumsporozoite)、DNAワクチン(DNA vaccine)、Spheniscus demersus、ケープペンギン(African penguin

 

 

飼育ハシブトインコ(Rhynchopsitta pachyrhyncha)におけるイオン化カルシウム、ビタミンD3、および上皮小体ホルモンの血清中濃度

Serum Concentrations of Ionized Calcium, Vitamin D3, and Parathyroid Hormone in Captive Thick-billed Parrots (Rhynchopsitta pachyrhyncha)

 

Lauren L. Howard, D.V.M., Philip H. Kass, D.V.M., Ph.D., Dipl. A.C.V.P.M., Nadine Lamberski, D.V.M., and Ray F. Wack, D.V.M., Dipl. A.C.Z.M.

 

147~153ページ

 

要旨: 15施設のハシブトインコ(Rhynchopsitta pachyrhyncha)68羽から採取した血清を分析し、イオン化カルシウム(iCa)、総カルシウム(tCa)、リン(P)、総蛋白(TP)、アルブミン(Alb)、上皮小体ホルモン(PTH)、およびビタミンD3値を得た。得られた数値は正規分布を示さず、95%頻度区間は以下のとおりであった: iCa0.82~1.3 mmol/L)、tCa1.37~2.09 mmol/L)、P0.35~1.75 mmol/L)、TP21~39 g/L)、Alb9~13 g/L)、PTH0~65.68 pmol/L)、およびビタミンD35.2~51 nmol/L)。tCa60%(±7.5%)はイオン化されていた。雌のハシブトインコの平均iCa値(1.11 mmol/Ln = 22)は雄の値(1.05 mmol/Ln = 32)より明らかに高かった。ハシブトインコのtCaおよびiCa値は他のオウム目の鳥で報告されている値よりも低いものであった。Alb- TP比とiCa – tCa比は明らかな比例関係を示した。また、tCa – P比とPTHは明らかな反比例関係を示した。これらの所見は、既知の家禽のCa生理と一致するものである。

 

キーワード: ハシブトインコ(thick-billed parrot)、Rhynchopsitta pachyrhyncha、イオン化カルシウム(ionized calsium)、上皮小体ホルモン(parathyroid hormone)、ビタミンD3

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