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jzwm_japaneseabstract_v35n4_2004

Zoo and Wildlife Medicine 35(4) Abstracts; Japanese

 

4種の飼育サイにおけるマイトジェンおよび抗原誘導性リンパ球増殖の比較研究

Comparative Studies of Mitogen- and Antigen-Induced Lymphocyte Proliferation in Four Captive Rhinoceros Species

 

Carrie K. Vance, M.S., Ph.D., Suzanne Kennedy-Stoskopf, D.V.M., Ph.D., Dipl. A.C.Z.M., Amy R. Obringer, Ph.D., and Terri L. Roth, M.S., Ph.D.

 

435~446 ページ

 

要旨 4種のサイにおいて白血球活性の基準データを確立し、クロサイ(Diceros bicornis)の疾病に罹患しやすい性質を説明する一助になるかもしれない種特異的な差異を明らかにするために、マイトジェン刺激および抗原刺激に対するin vitroのリンパ球増殖反応を指標として、各種の細胞免疫機能の評価を行った。スマトラサイ(Dicerorhinus sumatrensis)(n = 3)、インドサイ(Rhinoceros unicornis)(n = 4)、クロサイ(n = 16)、およびシロサイ(Cerathotherium simumn = 10)を含む、飼育種4種全てを包括する米国のサイ個体群から検体を採取した。4種の中で、アフリカクロサイは以下のマイトジェンに対して最も弱いリンパ球増殖反応(P<0.05)を示した:ヤマゴボウ(0.1μg/ml)、フィトヘムアグルチニン(0.3μg/ml)、およびコンカナバリンA5.0μg/ml)。また培養終了時点での全細胞濃度は、アフリカシロサイ、インドサイ、およびスマトラサイのリンパ球で得られた数値の70%に過ぎなかった。しかし、細菌性内毒素であるリポ多糖類に対するリンパ球反応は、種を通して同様であった(P>0.05)。抗原刺激はマイトジェン刺激よりも、はるかに弱い反応を引き起こした。また、1および10μg/mlLeptospira icterohemorrhagiaeまたはLeptospira gryppotyphosaに対する反応では、種間で相違は見られなかった(P>0.05)。アフリカシロサイのリンパ球は、Aspergillus fumigatus濾過液に対して弱い増殖反応を見せたが、南部クロサイ亜種ではAspergillus濾過液濃度の上昇(0.11、および10μg/ml)により、リンパ球は僅かに抑制されたようであった。リンパ球増殖反応が特徴付けるこの比較データにより、サイの免疫細胞反応には多少の種間相違があることが明らかとなり、また飼育アフリカクロサイのリンパ球は他種のサイと比べて不活発であるといういくつかの証拠が得られた。

 

キーワード クロサイ(black rhinoceros)、シロサイ(white rhinoceros)、インドサイ(Indian rhinoceros)、スマトラサイ(Sumatran rhinoceros)、免疫学(immunology)、疾病(disease)、ストレス(stress)、コルチコイド(corticoids

 

 

ナキシャクケイ(Pipile cumanensis cumanensis)における精液採取および人工授精:ホウカンチョウ科(鳥綱:キジ目)への応用の可能性

Semen Collection and Artificial Insemination in the Common Piping Guan (Pipile cumanensis cumanensis): Potential Application for Cracidae (Aves: Galliformes)

 

Karen E. DeMatteo, Ph.D., Kate L. Karagiannis, B.S., Cheryl S. Asa, Ph.D., Michael S. Macek, B.S., Timothy L. Snyder, Anne M. Tieber, B.S., and Patricia G. Parker, Ph.D.

 

447~458ページ

 

要旨: ホウカンチョウ科(鳥綱:キジ目)における繁殖補助技術(ARTs)のモデルとして、ナキシャクケイ(Pipile cumanensis cumanensis)が使用されている。新鮮精液サンプルの質および量を最適化するために、家禽および他の外来鳥に使用される用手採取に修正を加えた。さらに実験室設備が得られない場合の手段として、精液の色、透明度、濃度に基づいて主観的にその質を評価する方法を得た。典型的な一腹卵数が僅か2卵である種においては、産卵に先立って適切な人工授精が確実に行えるように、第1卵の予測が極めて重要である。雌の恥骨間距離の増加と腹囲膨満の程度によって、人工授精(AI)実施の最適時が示され、また受精を確実にしながらも第1卵受精に使用する精液量を最小限に抑えることも可能であった。3回の個別のAI実験において合計4卵が受精したが、これはホウカンチョウ科の鳥では初めてであった。受精卵4卵のうち2卵が孵化し、雛の親子関係はDNA指紋法によって確認された。この研究は、ホウカンチョウ科へのARTs使用の初報告例であり、また生息地外保全計画においてホウカンチョウ科の遺伝子管理の最適化を目的とする将来的な発展・開発(凍結解凍精液を使用したAIなど)の基礎を成すものである。

 

キーワード: 人工授精(artificial insemination)、ホウカンチョウ科(Cracidae)、生息地外(ex situ)、遺伝子管理(genetic management)、ナキシャクケイ属(Pipile)、精液採取(semen collection

 

 

メキシコワンチョウザメ(Acipenser oxyrinchus desotoi)の内視鏡による雌雄鑑別および性腺の操作

Endoscopic Sex Determination and Gonadal Manipulation in Gulf of Mexico Sturgeon (Acipenser oxyrinchus desotoi)

 

Stephen J. Hernandez-Divers, B.Sc., B.Vet.Med., Dipl. R.C.V.S. Zoo.Med., M.R.C.V.S., Dipl. A.C.V.M.,  Robert S. Bakal, D.V.M., M.S., Brian H. Hickson, B.S., Clarence A. Rawlings, D.V.M., M.S., Ph.D., Dipl. A.C.V.S., Heather G. Wilson, D.V.M., Dipl. A.B.V.P. (avian), MaryAnn Radlinsky D.V.M., M.S., Dipl. A.C.V.S., Sonia M. Hernandez-Divers, D.V.M., Dipl. A.C.Z.M., and Samuel R. Dover, D.V.M.

 

459~470ページ

 

要旨:保全開発計画の一部として、17匹のメキシコワンチョウザメ(Acipenser oxyrinchus destoi)において内視鏡による雌雄鑑別、性腺の生検、および種々の生殖器外科手術を実施した。サメは重炭酸ナトリウムで緩衝したトリカインメタンスルフォネート(MS-222)で麻酔し、再循環水式麻酔回路で維持した。直径6 mmTernamian Endo Tipカニューレを胸鰭と尻鰭の中間の背側正中から通して設置し、径5mmの内視鏡を挿入できるようにした。浮袋の吸引および体腔への二酸化炭素送入により、極めて良好な観察が得られた。目視で確認しながら第2、第3のカニューレを、内視鏡用カニューレのそれぞれ横側、および頭側または尾側に設置した。全個体において雌雄鑑別は成功したが、17匹のうち2匹(29%)は雌雄確定のために性腺の生検が必要であった。また雄3匹、雌4匹において、両側の卵巣および精巣摘出術に成功した。別の雌3匹において、一側性卵巣摘出術および体外縫合術を使用したミューラー管の結紮を行った。全個体において、麻酔および内視鏡手術に伴う明らかな障害は見られなかった。魚類において侵襲性のごく低い生殖器外科手術を安全に実施できれば、管理および保全において大きく役立つであろう。

 

キーワード: チョウザメ(gulf sturgeon)、Acipenser oxyrinchus destoi、内視鏡術(endoscopy)、精巣摘出術(orchidectomy)、卵巣摘出術(ovariectomy)、避妊手術(sterilization

 

 

野生アメリカアカエイ(Dasyatis americana)の血漿生化学値

Plasma Biochemistry Reference Values of Wild-Caught Southern Stingrays (Dasyatis americana)

 

Danielle K. Cain, B.A., Craig A. Harms, D.V.M., Ph.D., Dipl. A.C. Z. M., and Al Segars, M.S., D.V.M.

 

471~476ページ

 

要旨: アカエイは重要な海生動物であるが、その正常血漿生化学値および血液学に関する文献は殆ど発表されていない。 20026月および7月に、サウスカロライナ州自然資源局が運航する漁船ではない船で底引き網を使用し、サウスカロライナ州ウィンヨー湾からフロリダ州セントオーガスティンにおいて28匹のアメリカアカエイ(Dasyatis americana)を捕獲した。捕獲直後に生存個体から採取した血液および血漿から得た値の中央値は以下の通りである:赤血球沈降容積 = 0.22 l/l (22%)、全固形分(TS) = 56.5 g/l (5.65 g/dl)、総蛋白(TP = 26 g/l (2.6 g/dl)、ナトリウム = 315 mmol/l、カリウム = 4.95 mmol/l、塩素 = 342 mmol/l、カルシウム = 4.12 mmol/l (16.5 mg/dl)、リン = 1.5 mmol/l (4.7 mg/dl)、尿素窒素 =  444 mmol/l (1,243 mg/dl)、グルコース = 1.68 mmol/l (30 mg/dl)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ = 14.5 U/l、クレアチンホスホキナーゼ = 80.5 U/l、浸透圧 = 1065 mOsm/kg、および乳酸塩 = 3.1 mmol/l。重炭酸塩については3例を除いて、測定機器の測定可能域下限(5 mmol/l)を下回った。アニオンギャップは全ての検体で陰性であった。アルブミンは1例を除いて測定可能域下限(1 g/dl)に達しなかった。浸透圧は、南部で捕獲したエイにおいて明らかにより高値を得た。TSおよびTPは互いに直線関係を示し、当てはまる直線の等式は、TS = (11.61×TP)25.4 (単位g/l) [または TS = (1.161×TP)2.54 (単位g/dl)]であった。ここに報告された基準値は、水族館のアカエイの管理を助け、野生アカエイ属の健康状態のモニタリングの基礎となりうるものである。

 

キーワード: Dasyatis americana、血漿生化学(plasma biochemistry)、アメリカアカエイ(southern stingray)、基準値(reference range

 

 

アカウミガメ(Caretta caretta)における静脈内および筋肉内単回投与後のオキシテトラサイクリンの薬物動態

Pharmacokinetics of Oxytetracycline in Loggerheaded Sea Turtles (Caretta caretta) After Single Intravenous and Intramuscular Injections

 

Craig A. Harms, D.V.M., Ph.D, Dipl. A.C.Z.M., Mark G. Papich, D.V.M., M.S. , Dipl. A.C.V.C.P., M. Andrew Stamper, D.V.M., Dipl. A.C.Z.M., Patricia M. Ross, D.V.M., Mauricio X. Rodriguez, and Aleta A. Hohn, Ph.D.

 

477~488ページ

 

要旨: 2歳のアカウミガメ(Caretta caretta)にオキシテトラサイクリンを静脈内および筋肉内に単回投与後、その薬物動態を生物学的マーキングおよび治療への応用を目的として調べた。20頭のウミガメ幼個体を2つの処置群に分けて使用した。10頭にはオキシテトラサイクリン25mg/kgを静脈内投与し、他の10頭には同量を筋肉内投与した。血漿オキシテトラサイクリン濃度は逆相高性能液体クロマトグラフィーで分析した。静脈内投与で得られたデータは、3区画モデルに最もよく当てはまったが、静脈内および筋肉内投与間でのデータの比較には非区画解析を用いた。静脈内投与群では、最大血漿濃度、末期半減期、全身クリアランス、および定常状態での見かけの分布容の平均は、それぞれ6.6 μ/ml66.1 時間、290.7 ml/hr/kg、および18.4 ℓであった。筋肉内投与群では、全身可用性、最大血漿濃度、および除去半減期の平均は、それぞれ91.8%1.6 μg/ml、および61.9 時間であった。著しく高い見かけの分布容は、ウミガメの骨格総量の多さに伴う骨への薬物蓄積といった薬物の体内動態や、栄養状態の良い成長中の若齢個体であったことにおそらく関係するものと考えられる。筋肉内投与群の最大血漿濃度は静脈内投与群に比べて低かったが、その消失時間の長さは投与間隔が長くても感受性細菌に対して効果をもたらす可能性を示している。

 

キーワード: 生物学的マーカー(biologic marker)、Caretta caretta、アカウミガメ(loggerheaded sea turtle)、薬物動態(pharmacokinetics

 

 

ヤギ(Capra hircus)におけるカーフェンタニルおよびナルトレキソンの薬物動態

Pharmacokinetics of Carfentanil and Naltrexone in Domestic Goats (Capra hircus)

 

Adrian Mutlow, Vet.M.B., M.Sc., Ramiro Isaza, D.V.M., M.S., Dipl. A.C.Z.M., James W. Carpenter, M.S., D.V.M., Dipl. A.C.Z.M., David E. Koch, M.S., and Robert P. Hunter, M.S., Ph.D.

 

489~496ページ

 

要旨: 交差実験設計を用いて、8頭のヤギ(Capra hircus)において、カーフェンタニルおよびナルトレキソンの静脈内、筋肉内、皮下投与後の薬物動態について調べた。検体はカーフェンタニル投与後120時間まで連続採取し、血漿薬物濃度は液体クロマトグラフィーおよび質量分析によって決定した。全てのヤギはカーフェンタニル40μg/kgの筋肉内投与で不動化したが、生じた神経学的影響にはかなりの差が見られた。血漿像からは、カーフェンタニルの急速な吸収と1248時間にわたる単純二相性減少が示された。カーフェンタニル投与30分後に、カーフェンタニル1mgに対してナルトレキソン100 mgを投与し、全ての投与経路において不動化からの急速な回復が見られた。投与後2.53.5時間では、血漿ナルトレキソン濃度に変動が見られたが、その後より一定した二相性減少を示した。起立までの時間は、ナルトレキソンの皮下投与に比べて静脈内投与の方が明らかに短かったが、その差(1分)は臨床状態に殆ど関係しなかった。ナルトレキソンの3投与経路間で、ナルトレキソンの薬物動態パラメータに統計学的有意差は見られなかったが、筋肉内投与後の回復は、主観的に見て最も速やかであった。ヤギにおけるカーフェンタニルの半減期は、ナルトレキソンの投与経路間で有意な差は見られなかった。現在、ナルトレキソンを皮下および静脈内に分けて投与することが推奨されているが、この方法は何ら有益性を持たないと考えられる。

 

キーワード カーフェンタニル(carfentanil)、ナルトレキソン(naltrexone)、薬物動態(pharmacokinetics)、不動化(immobilization)、ヤギ(goat

 

 

アカゲザル(Macaca mulatta)に対する経口前麻酔鎮静の4プロトコール

Four Preanesthetic Oral Sedation Protocols for Rhesus Macaques (Macaca mulatta)

 

Astrid C. S. Pulley, D.V.M., Jeffrey A. Roberts, D.V.M., Dipl. A.C.L.A.M., and Nicholas W. Lerche, D.V.M., M.P.V.M.

 

497~502ページ

 

要旨: 強力な鎮静を得るため、および遠隔麻酔導入に伴う不安や興奮、負傷の可能性を小さくするために、18頭の雄のアカゲザル(Macaca mulatta)において経口前麻酔鎮静の4プロトコールの有効性とその使用の難易を比較した。サルは平均10歳、12.5 kgで、無作為に4群に振り分けた。1群にはチレタミン-ゾラゼパム10 mg/kgとメデトミジン0.05 mg/kgを経口投与し、2群はミダゾラム1 mg/kgとケタミン20 mg/kgを、3群はケタミン20 mg/kgとメデトミジン0.05 mg/kgを、4群はミダゾラム3 mg/kgをそれぞれ経口投与した。全プロトコールで、投与の成否に応じて軽度の鎮静から侵害刺激に対する反応消失までの効果が得られた。全群で、最大効果を得るまでの平均時間は2743分であった。ケタミンとメデトミジンの混合は、ミダゾラム単独よりも明らかに良い鎮静効果を得たが、それ以外に4プロトコール間に統計学的有意差は見られなかった。チレタミン-ゾラゼパムとメデトミジンの経口投与では、殆ど副作用もなく軽度から中程度の鎮静を速やかに得た。またミダゾラムとケタミン混合では、重篤な運動失調を見た。ケタミンとメデトミジンの経口投与では、容易に回復可能な強い鎮静を速やかに得たが、侵害刺激に対する反応も消失した。ミダゾラム単独では、軽度の鎮静が見られただけであった。ケタミンとメデトミジンの経口投与(3群)では、最も一貫して強い鎮静が得られた。調剤薬局では、これらの薬剤組合せの味を改善したり、受け入れ易くしたりが可能であると思われる。別法としては、経口ミドゾラムシロップをよく受け付ける個体もあり、軽度の鎮静が得られているが、これによってダーツやポールに取り付けた注射器などでの麻酔導入に関わるストレスの軽減が考えられる。

 

キーワード: 麻酔(anesthesia)、ケタミン(ketamine)、メデトミジン(medetomidine)、ミダゾラム(midazolam)、 チレタミン-ゾタゼパム(tilitamine-zolazepam)、アカゲザル(rhesus macaque

 

 

米国ジョージア州セントキャサリン島の3種のキツネザルに分子的および血清学的に認められたダニ媒介エールリヒア

Molecular and Serologic Evidence of Thck-brone Ehrlichiae in Three Species of Lemurs from St. Catherines Island, Georgia, USA

 

Michael J. Yabsley, M.S., Ph.D., Terry M. Norton, D.V.M., Dipl. A.C.Z.M., Malcolm R. Powell, Ph.D., and William R. Davidson, Ph.D.

 

503~509ページ

 

要旨: 近年、数種のエールリヒア(ehrlichiae)が獣医学的・人医学的に重要なダニ媒介病として認識されている。ジョージア州セントキャサリン島のワオキツネザル(Lemur catta46頭、クロキツネザル(Eulemur macaco flavifrons6頭、およびエリマキキツネザル(Varecia variegate variegata4頭の、臨床上正常な放し飼いまたは元放し飼いのキツネザルにおいて、ダニ媒介エールリヒアへの曝露について調べた。52頭の全成獣について、Errichia chaffeensisおよびAnaplasma phagocytophilumへの曝露を血清学的に検査した。E.  chaffeensisA. phagocytophilum、およびEhrlichia ewingiiに対するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を、全56頭の血液サンプルについて実施した。またE. chaffeensis分離のため、全個体の血液をDH82細胞培養に接種した。成獣のうち、20頭(38.5%)および16頭(30.8%)がそれぞれE. chaffensisおよびA. phagocytophilumに対して活性のある抗体を保持していた(≥1:128)。また2頭のワオキツネザルがE. chaffeensisに対してPCRおよび培養で陽性を示した。E. chaffensis2分離株の分子的特徴としては、両者とも可変長PCRターゲット(variable-length PCR target, VLPT)抗原遺伝子の5反復配列異形体および120kDa抗原遺伝子の3反復配列異形体を含んでいた。VLPT遺伝子の塩基配列決定により、新しいアミノ酸繰り返し単位(タイプ9)が明らかになった。E. chaffensisに感染した1個体は僅かに低蛋白血症を示し、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)値の中程度の上昇が見られた。セントキャサリン島のこれらのキツネザルは、ダニ媒介エールリヒアに曝露または感染(あるいは両者)していたが、臨床症状は見られなかった。

 

キーワード: Ehrlichia chaffensisAnaplasma phagocytophilum、エールリヒア(elrlichiae)、 ダニ媒介(tick-brone)、抗体(antibodies)、分離(isolation

 

 

ハイイロイワシャコ(Alectoris graeca)およびイワシャコ(Alectoris chuckar)の心電図記録法

Electrocardiography of Rock Partridges (Alectoris graeca) and Chukar Partridges (Alectoris chukar)

 

Metehan Uzun, D.V.M., Ph. D., Sedat Yildiz, D.V.M., Ph.D., and Feyyaz Onder, D.V.M., Ph.D.

 

510~514ページ

 

要旨: 標準6極肢誘導(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、aVRaVL、およびaVF)心電図(ECGs)を覚醒したハイイロイワシャコ(Alectoris graeca10羽およびイワシャコ(Alectoris chukar10羽で記録した。P波、T波およびOQS群の持続時間および振幅、P-QおよびQ-T間隔、平均心拍数をⅡ誘導心電図から計算した。観察可能なP波およびT波は全てaVRaVL誘導で陰性であったが、他の誘導では全て陽性であった。QRS群でもっとも頻繁に見られた波形は、r-s (r-S)およびq-r (q-R)であった。両種において、全てのaVRおよびaVL誘導でQ波が観察された。イワシャコはハイイロイワシャコに比べて、P波、T波、およびQRS群の振幅は明らかに大きかった。平均心拍数は、イワシャコおよびハイイロイワシャコで、それぞれ毎分310±15および317±19であった。またⅡおよびⅢ誘導から計算した平均電気軸は、イワシャコおよびハイイロイワシャコでそれぞれ-99±6.3°および-95±1.7°であった。麻酔または鎮静なしに、明瞭なECGsを容易に得ることができた。

 

キーワード: 心電図(electrocardiogram)、Alectoris graecaAlectoris chukar、イワシャコ(partridge

 

 

飼育シマスカンク(Mephitis mephitis)の繁殖における体温データロガーの外科的埋込の影響

Effects of Surgical Implantation of Temperature Dataloggers on Reproduction of Captive Striped Skunks (Mephitis mephitis)

 

Yeen Ten Hwang, B.Sc.(Hon), Marie-Line Gentes, D.V.M., Dennilyn L. Parker, D.V.M., Serge Larivière, Ph.D., and François Messier, Ph.D.

 

515~519ページ

 

要旨: 合計20頭(雌14頭、雄6頭)の飼育シマスカンク(Mephitis mephitis)に小型体温データロガーを腹腔内に埋め込み、埋め込みに伴う繁殖成績および病態について調べた。雌12頭のうち11頭が、埋め込んだデータロガー摘出術の45.9±3.7日後に繁殖に成功した。妊娠率は91.7%11/12)で、他の飼育下での報告よりも非常に高く、野生スカンクの妊娠率に相当するものであった。腹腔内への埋め込み5ヵ月後に8頭(雄6頭、雌2頭)のシマスカンクを安楽死し、剖検した結果、埋め込みに伴う明らかな病変は見られなかった。腹腔内への装置埋め込みは、腹部組織に合併症を引き起こさず、また埋め込みおよび手術はどちらも繁殖に影響しなかった。埋込式データロガーは、シマスカンクまたはおそらく他の飼育下および野生の小型肉食類に対しても、その生理学的研究に安全に使用できると結論付けられた。

 

キーワード: 繁殖成績(reproductive performance)、埋め込み(implantation)、外科(surgery)、麻酔(anesthesia)、Mephitis mephitis, シマスカンク(striped skunks

 

 

飼育ローランドゴリラ(Gorilla gorilla gorilla)における折畳み式眼内レンズ埋込による白内障手術

Cataract Surgery with Foldable Intraocular Lens Implants in Captive Lowland Gorilla (Gorilla gorilla gorilla)

 

J-T.H.N. de Faber , M.D., J.H. Pameijer, M.D, and W. Schaftenaar, D.V.M.

 

520~524ページ

 

要旨: 異母兄弟の飼育下繁殖の2頭のローランドゴリラ(Gorilla gorilla gorilla)の雄幼獣が、両側性の白内障を発症した。白内障を生じた水晶体は、診断後それぞれ6年および3ヶ月で外科的に摘出し、折畳み式眼内レンズを埋め込んだ。ゴリラA6年が経過した成熟白内障の眼球では視覚は回復しなかったが、もう一方の眼球では完全に白内障が進行する前に外科的処置を行い、完全な視覚回復を得た。ゴリラBでは17ヶ月齢で処置を行い、両眼とも正常な視覚発達か見られた。この個体は両側性後発白内障を発症したため、Nd-YAGレーザー処置を用いた両眼の再処置が必要であった。繁殖管理計画では、若齢白内障の遺伝的素因についての考慮が必要である。

 

キーワード: 白内障(cataract)、ローランドゴリラ(lowland gorilla)、Gorilla gorilla gorilla、外科(surgery)、水晶体乳化処理(phacoemulsification)、レンズ埋込(lens implantation)、Nd:YAGレーザー(Nd:YAG laser)、後発白内障(after-cataract

 

 

3羽のズアカショウビン(Halcyon cinnamomina cinnamomnia)における筋胃内植物性胃石塞

Ventricular Phytobezoar Impaction in Three Micronesian Kingfishers (Halcyon cinnamomina cinnamomina)

 

Michael J. Kinsel, D.V.M., Dipl. A.C.V.P., Michael B. Briggs, D.V.M., M.S., Richard F. E. Crang, Ph.D., and Robert D. Murnane, D.V.M., Ph.D., Dipl. A.C.V.P.

 

525~529ページ

 

要旨: 同じケージで飼育されている3羽のズアカショウビン(Halcyon cinnamomina cinnamomina)雄幼鳥が、急速な体重低下と腹囲膨満を示した。身体検査とX線により、筋胃の顕著な膨大と各個体につき1個の大きな筋胃内異物が明らかになった。1羽には筋胃切開術による外科的除去を試みたが、術中に死亡した。2羽目には天然ピーナツバター0.5 ml 12回経口で14日間与えたが、異物を吐き出して回復した。3羽目も同様に処置したが成功せず、結果的には内視鏡による異物除去中に死亡した。全3羽において、異物は植物性胃石であることが判明した。ケージ内に植えられたトウモロコシ(Dracaena fragrans)の葉を鳥が引きちぎっているのが観察されていたことから、回収した植物性胃石の植物繊維をD. fragransの葉と比較したが、同一であると考えられた。ピーナツバターあるいは類似の油分含有物質による鳥の植物性胃石の治療法は、外科的除去の代替法として考えるべきである。

 

キーワード: ズアカショウビン(Micronesian kingfisher)、Halcyon cinnamomina cinnamomina, 筋胃閉塞(ventricular impaction)、植物性胃石(phytobezoar

 

 

ニルガイ(Boselaphus tragocamelus)およびサイガ(Saiga tatarica)のトキソプラズマ症

Toxoplasmosis in Nilgais (Boselaphus tragocamelus) and a Saiga Antelope (Saiga tatarica)

 

Kamil Sedlák, M.V.Dr., Ph.D., Eva Bártová, M.V.Dr., Ph.D., Ivan Literák, Prof. M.V.Dr., C.Sc., Roman Vodička, M.V.Dr., and J. P. Dubey, M.V.Sc., Ph.D.

 

530~533ページ

 

要旨: 3頭の飼育ニルガイ(Boselphus tragocamelus)の雌に、妊娠後期流産あるいは初生仔の生後2日以内の死亡が見られた。TGR1E遺伝子による一段階ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)およびB1遺伝子による半ネスト PCRseminested PCR)を用いて、各胎仔の脳と肝および2頭の初生仔のうち1頭におけるToxoplasma gondii DNAを証明した。間接蛍光法によって遡って検査した結果、この雌全3頭および雄1頭の血清でT. gondiiに対する抗体価が640以上であった。他の流産の原因は認められなかった。致死的なトキソプラズマ症は飼育サイガ(Saiga tatarica)の雌成獣1頭にも見られ、突然死を示した。Toxoplasma gondiiが肝、肺、脾、腎および腸に認められた。異常所見として、この個体の肝に多数の嚢胞が見られた。TGR1EによるPCRおよび免疫組織学的手法で、トキゾプラズマ症と確認した。トキソプラズマ肝炎および肺炎が、死亡の第一原因と考えられた。

 

キーワード: 流産(abortion)、Boselaphus tragocamelus、ウシ科動物(bovids)、PCRSaiga tataricaToxoplasma gondii

 

 

トウブハコガメ(Terrapene carolina carolina)飼育群におけるラナウイルスによる疾病および死亡

Ranavirun-Associated Morbidity and Mortality in a Group of Captive Eastern Box Turtles (Terrapene carolina carolina)

 

Ryan De Voe, D.V.M., Kyleigh Geissler, D.V.M., Susan Elmore, M.S., D.V.M., David Rotstein, D.V.M., M.P.V.M., Dipl. A.C.V.P., Greg Lewbart, M.S., V.M.D., Dipl. A.C.Z.M., and James Guy, D.V.M., Ph.D

 

534~543ページ

 

要旨: 2002年秋、ノースカロライナの北米産カメ類大規模飼育群において、7頭の飼育トウブハコガメが急性に疾病を発症し、うち5頭が死亡した。臨床症状は、皮下膿瘍、口腔内潰瘍または膿瘍(あるいは両者)、呼吸困難、拒食、および嗜眠であった。剖検時に見られた顕著な病変は、皮膚や粘膜、肺、肝を含む多様な組織の類線維素性血管炎であった。ホルマリン固定組織の組織病理学的検査および電子顕微鏡観察では、封入体は認められなかった。死亡したハコガメ2頭から得た組織から、イリドウイルスが分離された。電顕観察、ポリメラーゼ連鎖反応、および主要カプシド蛋白の一部の構造解析により、このウイルスはラナウイルス属の1種であるとみなされた。

 

キーワード: トウブハコガメ(eastern box turtle)、Terrapene carolina carolina、イリドウイルス(iridovirus)、ラナウイルス属(Ranavirus

 

 

飼育ツチブタ(Orycteropus afer)の化学的不動化

Chemical Immobilization of Captive Aardvark (Orycteropus afer)

 

Roman Vodicka, M.V. Dr.

 

544~545ページ

 

要旨: 4頭のツチブタ(Orycteropus afer)に対し、6年間の期間にわたって麻酔を実施した。デトミジン(0.13±0.025 mg/kg i.m.; 0.12 ~ 0.14 mg/kg)によって鎮静を行い、デトミジン(0.12±0.025 mg/kg i.m.; 0.09~0.18 mg/kg)で麻酔した後ケタミン(6.3±1.68 mg/kg i.m.; 4.3~8.2 mg/kg)を投与した。麻酔効果はアチパメゾール(0.065±0.013 mg/kg i.m.; 0.05~0.09 mg/kg)によって拮抗した。デトミジン-ケタミン混合薬で速やかな麻酔と優れた筋弛緩が得られ、日常的な診断および治療行為(採血、X線、簡単な外科処置)に適していた。

 

キーワード: ツチブタ(aardovark)、Orycteropus afer、麻酔(anesthsia

 

 

ミーアキャット(Suricata suricatta)おけるエプスタイン奇形

Ebstein Anomaly in a Meerkat (Suricata suricatta)

 

Norin Chai, D.V.M., M.Sc., M.Sc.V., Valérie Chetboul, D.V.M., Ph.D., Dipl. E.C.V.I.M.-CA. (cardiology), Carolina Carlos, D.V.M., Audrey Nicolle, D.V.M., Jean-Louis Pouchelon, D.V.M., Ph.D., and Marie Claude Bomsel, D.V.M., M.Sc.

 

546~548ページ

 

要旨: 8歳の雄のミーアキャット(Suricata suricatta)が突然嗜眠を呈した。胸部X 線写真において胸水を伴った球形の心臓の所見が鬱血性心不全と一致し、全身麻酔下で心エコー検査を行った。軽度の心外膜液貯留と顕著な右心肥大を伴うエプスタイン奇形が明らかになった。患獣は塩酸イミダプリルで治療した。4ヶ月の治療後、胸部X線像では右側性心肥大がまだ見られたが、患獣は臨床上正常のようであった。

 

キーワード: Suricata suricatta、エプスタイン奇形(Ebstein anomaly)、心臓(heart)、心エコー検査(echocardiography)、ミーアキャット(meerkat

 

 

ニホンザル(Macaca fuscata)におけるLawsonia intracellularisによる増殖性腸炎

Proliferative Enteritis Associated with Lawsonia intracellularis in a Japanese Macaque (Macaca fuscata)

 

Maud Lafortune, D.M.V., M.Sc., Dipl. A.C.Z.M., James F. X. Wellehan, D.V.M., M.S., Elliott R. Jacobson, D.V.M., Ph.D., Dipl. A.C.Z.M., J. Mitchell Troutman, D.V.M., Connie J. Gebhart, Ph.D., and Margaret S. Thompson, M.Ed., D.V.M., Dipl. A.C.V.R.

 

549~552ページ

 

要旨: 去勢していない2.5歳の雄ニホンザル(Macaca fuscata)において、診査的腹腔鏡検査中に回腸の肥厚が見られた。回腸生検組織の組織病理学的(Warthin-Starry染色)、免疫組織化学的、およびポリメラーゼ連鎖反応法による検査によって、Lawsonia intracellularisによる増殖性腸炎と診断された。患獣は術後16日で一時性下痢と重篤な低蛋白血症を発症したが、アジスロマイシンによる集中治療により回復した。L. intracellularis検出には非常に特異的な検査を要することから、ヒト以外の霊長類において、この病原体は見過ごされている可能性がある。

 

キーワード: Macaca fucataLawsonia intracellularis、増殖性腸疾患(proliferative enteropathy)、ヒトを除く霊長類(nonhuman primate)、ニホンザル(Japanese macaque)、下痢(diarrhea

 

 

キングコブラ(Ophiophagus hannah)におけるDermatophilus chelonae

Dermatophilus chelonae in a King Kobra (Ophiophagus hannah)

 

James F.X. Wellehan, D.V.M., M.S., Christine Turenne, M.Sc., Darryl J. Heard, B.V.M.S., Ph.D, Dipl. A.C.Z.M., Carol J. Detrisac, D.V.M., Ph.D., Dipl. A.C.V.P, and Jeffrey J. O'Kelley, M. (A.S.C.P.)

 

553~556ページ

 

要旨: 10歳の雄キングコブラ(Ophiophagus hannah)の左側腹から腫瘤を摘出し、組織学的検査の結果、病変内にグラム陽性球菌および糸状細菌を伴った肉芽腫性皮膚炎が明らかとなった。14ヵ月後、組織学的に類似した皮下腫瘤をもう一方の側腹から摘出した。1年後、最初に摘出を行った部位から大きな皮下腫瘤を切除し、組織学的検査により病変内にグラム陽性球菌を伴った多房性肉芽種であると判明した。病原体は培養を行い、16SリボゾームRNA遺伝子配列決定によってDermatophilus chelonaeと同定された。その後の抗生物質療法により、5ヶ月間は新しい病変は見られなかった。

 

キーワード: デルマトフィルス症(dermatophilosis)、Dermatophilus chelonae、コブラ(cobra)、Ophiophagus hannah、皮膚炎(dermatitis)、皮膚(skin

 

 

グリーンアナコンダ(Eunectes murinus)における皮膚および肺真菌症

Cutaneous and Pulmonary Mycosis in Green Anacondas (Eunectes murinus)

 

Debra L. Miller, D.V.M., Ph.D., Zaher A. Radi, D.V.M., Ph.D., Dipl. A.C.V.P. Shane L. Stiver, D.V.M., Dipl. A.B.V.P. and Timothy D. Thornhill, D.V.M.

 

557~561ページ

 

要旨: 剖検に供された雌雄各1匹の死亡した飼育グリーンアナコンダ(Eunectes murinus)は健康状態が悪く、鱗片と斑状を呈した肺には暗赤色の病巣が複数散在していた。両個体とも重篤な真菌性皮膚炎を示していた。さらに、雄は真菌性口内炎、雌は真菌性肺炎であった。Trichophyton属、Verticillium属、およびAlternaria属が皮膚病変から分離された。肺病変は形態学的にAspergillus属によるものと一致していた。皮膚および内臓から分離された細菌には、Chryseobacterium meningosepticumStenotrophomonas maltophiliaAeromonas hydrophila、およびProvidencia rettgeriがあった。真菌性疾患は爬虫類に大きな打撃を与えうるもので、飼育管理が最適でなかったことが、これらのヘビで日和見感染を引き起こした誘発因子と思われた。

 

キーワード: アナコンダ(anaconda)、Eunectes murinus、爬虫類(reptile)、真菌性疾患(fungal disease

 

 

ワイルドライフセンター・オブ・ヴァージニアに収容された野生爬虫類における総排泄腔からのサルモネラ排泄の検出欠如

Absence of Detectable Salmonella Cloacal Shedding in Free-living Reptiles on Admission to the Wildlife Center of Virginia

 

Jean M. Richards, B. A., Justin D. Brown, D.V.M., Terra R. Kelly, D.V.M., Andrea L. Fountain, M.T. (A.S.C.P.), C.L.S. (N.C.A.), and Jonathan M. Sleeman, Vet.M.B., M.R.C.V.S., Dipl. A.C.Z.M.

 

562~563ページ

 

要旨: サルモネラ症は、米国において爬虫類が関与する重要な人獣共通感染症である。ヴァージニア州ウェーンズバロのワイルドライフセンター・オブ・ヴァージニアに収容された爬虫類から総排泄腔スワブを採取し、Hectoenおよびキシロース・リジン・デオキシコール酸塩寒天培地でサルモネラを培養し、またセレナイトブイヨン培地に接種した。この3培地を37℃で1824時間培養した。875個体が本研究に使用されたが、内訳はトウブハコガメ(Terrapene calorina calorina34頭、トウブニシキガメ(Chrysemys picta picta14頭、カミツキガメ(Chelydra serpentina14頭、ブラックラットスネーク(Elaphe obsoleta obsoleta6匹、キタアカハラガメ(Pseudemys rubriventris2頭、キバラガメ(Trachemys scripta scripta2頭、トウブガーターヘビ(Thamnophis sirtalis sirtalis2匹、およびトウブコンキンナヌマガメ(Pseudemys concinna concinna1頭であった。全培養でサルモネラは陰性であり、これは飼育爬虫類で報告のあるサルモネラの総排泄腔からの高率の排泄とは相反するものであるが、北米の野生爬虫類で以前に報告されたものと類似していた。しかしながら、全爬虫類についてそのハンドリングと飼育においては、適切な衛生管理を行うことが推奨される。

 

キーワード: 細菌培養(bacterial culture)、爬虫類(reptile)、サルモネラ属(Salmonella spp.)、ヴァージニア(Virginia

 

 

ヒトコブラクダ(Camelus dromedarius)のフィチウム症

Pythiosis in a Dromedary Camel (Camelus dromedarius)

 

James F.X. Wellehan, D.V.M., M.S., Lisa L. Farina, D.V.M., Curry G. Keoughan, D.V.M., Maud Lafortune, D.V.M, M.Sc., Amy M. Grooters, D.V.M., Dipl. A.C.V.I.M., Leonel Mendoza, M.Sc., Ph.D., Murray Brown, D.V.M., M.S., Dipl. A.C.V.S., Scott P. Terrell, D.V.M., Dipl. A.C.V.P., Elliott R. Jacobson, D.V.M, Ph.D, Dipl. A.C.Z.M., and Darryl J. Heard, B.V.M.S., Ph.D, Dipl. A.C.Z.M.

 

564~568ページ

 

要旨: 4.5歳の雄のヒトコブラクダ(Camelus dromedarius)の右顔面の腫瘤を検査・評価した。完全血球算定および血液生化学検査により、貧血と低蛋白血症が明らかとなった。X線所見では、骨の関与は認められなかった。腫瘤を切除し、培養でPythium insidiosumを得た。試験的免疫療法ワクチン、およびヨウ化ナトリウムとセフチオフルによって治療を行った。ラクダは治療後体重が減少し始め、6ヵ月後に死亡した。剖検では、病変内に本卵状真菌の菌糸を伴った第3胃炎が見られた。

 

キーワード: ヒトコブラクダ(dromedary)、ラクダ(camel)、Camelus dromedarius、フィチウム症(pythiosis, Pythium insidiosum、フィコミコーシス(phycomycosis

 

 

ウッドチャック(Marmota monax)の股関節脱臼:非観血的整復および改良Ehmer吊包帯による治療成功

Hip Luxation in a Woodchuck (Marmota monax): Successful Treatment by Closed Reduction and a Modified Ehmer Sling

 

Jonathan N. Chambers, D.V.M., Christopher S. Hanley, D.V.M., and Steven S. Hernandez-Divers, B.Vet. Med., D.Zoo.Med., M.R.C.V.S.

 

569~571ページ

 

要旨: ゴムテープによる吊包帯を用いて、ウッドチャック(Marmota monax)の頭背側右寛骨大腿脱臼の整復維持に成功した。包帯固定中の14日間、合併症は見られなかった。その後8ヶ月間、この個体は正常であった。

 

キーワード: Marmota monax、ウッドチャック(woodchuck)、脱臼(luxation)、寛骨大腿関節(coxofemoral joint

 

 

ディンゴ(Canis familiaris dingo)における一次性リンパ管拡張症

Primary Lymphangiectasia in a Dingo (Canis familiaris dingo)

 

Wm. Kirk Suedmeyer, D.V.M., Dipl. A.C.Z.M., Chris Ludlow, D.V.M., Dipl. A.C.V.I.M., Candace Layton, D.V.M., Dipl. A.C.V.S., Jeff Dennis, D.V.M., Dipl. A.C.V.I.M., and Margaret Miller, D.V.M., Ph.D., Dipl. A.C.V.P.

 

572~575ページ

 

要旨:去勢していない3歳の雄ディンゴ(Canis familiaris dingo)が3ヶ月にわたる下痢を呈した。抗生物質および腸保護剤の使用では、下痢は解消されなかった。糞便検査による寄生虫検査、糞便からの培養、身体検査およびX線では、明らかな所見は得られなかった。内視鏡を用いた十二指腸生検によって、炎症を欠く乳糜管の拡張が見られた。血清葉酸、コバラミン、およびトリプシン様免疫反応性の結果は、正常であった。低血清総蛋白および低アルブミンに、糞便中α-1プロテアーゼ阻害因子濃度の上昇を考え合わせ、リンパ管拡張症との診断が示唆された。十二指腸、空腸および回腸の腸壁全層の生検により、炎症の見られない拡張した粘膜および粘膜下の乳糜管が明らかとなり、一次性リンパ管拡張症との診断を支持するものであった。現在、このディンゴは栄養管理によって維持されている。

 

キーワード: リンパ管拡張症(lymphangiectasia)、ディンゴ(dingo)、Canis familiaris dingo、α-1プロテアーゼ阻害因子(alpha-1 protease inhibitor

 

 

若齢パタスザル(Erythrocebus patas)における三尖弁形成異常および心室中隔欠損の共存

Coexisting Tricuspid Valve Dysplasia and Ventrical Septal Defect in a Young Patas Monkey (Erythrocebus patas)

 

Liang Sao-Ling, V.V.M., M.V.M., Yu Jane-Fang, B.V.M., M .V.M., Cheng Chian-Ren, B.V.M., Ph.D., and Chin Shih-Chien, B.V.M., M.V.M.

 

576~579ページ

 

要旨: 体重1.5 kg6ヶ月齢の雄パタスザル(Erythrocebus patas)がチアノーゼとパンティングを呈した。心電図検査、胸部X線、断層心エコー検査、およびカラードップラー心エコー検査で心臓の評価を行った結果、右から左への短絡を伴う心室中隔欠損(VSD)、および三尖弁輪の拡張、右心房拡張、右心室拡張、三尖弁奇形を伴う三尖弁形成異常が明らかとなった。心疾患が重篤であったため、この個体は麻酔回復において合併症を併発し、3日後に死亡した。剖検の肉眼所見では、VSD、三尖弁形成異常、および脳出血が見られた。

 

キーワード: パタスザル(patas monkey)、Erythrocebus patas、先天的心欠陥(congenital heart defect)、心室中隔欠損(ventricular septal defect)、三尖弁形成異常(tricuspid valve dysplasia

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