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jzwm_japaneseabstract_v36n1_2005

Zoo and Wildlife Medicine 36(1) Abstracts; Japanese

 

行動訓練および油圧式シュートでの保定により全身麻酔なしでエランド(Taurotragus oryx)のハンドリングを可能にする方法

Behavioral Training and Hydraulic Chute Restraint Enables Handling of Eland Antelope (Taurotragus oryx) without General Anesthesia

 

Gemechu Wirtu, D.V.M., M.S., Ph.D., Alexander Cole, D.V.M., C. Earle Pope, Ph.D., Charles R. Short, D.V.M., Ph.D., Robert A. Godke, Ph.D., and Betsy L. Dresser, Ph.D.

 

1~11ページ

 

要旨 非家畜大型偶蹄類の保定には困難と危険が伴い、人工授精や胚移植などの補助繁殖技術の発展と応用に限界が生じる要因となっている。エランド(Taurotragus oryx)の雌10頭による本研究では、エコー画像を見ながらの経膣卵子採取および他の臨床行為を行うために、行動訓練および油圧式シュートにおける化学的鎮静下でのハンドリングについてその利用評価を行った。9頭の雌には、餌に対して特定音の合図による条件付けを行った。音による合図から手に持った餌を受け入れるまでの時間は個体によって異なり、1.8~58.3分であった。また、自発的にシュートに入る訓練に対する反応も、個体間で差異が見られた。油圧式シュート内でエランドをハンドリングして卵子採取を行うには、キシラジンによる鎮静が必要であった。鎮静およびハンドリング時において、卵子採取を行ったエランドは、同様のハンドリングのみで卵子採取を行わなかった個体に比べて高い血中グルコース濃度を示した(14.4±3.1および9.3±2.7 mmol/l)。血漿浸透圧、ヘマトククリット値、クレアチンホスホキナーゼ活性は、両群で同様であった。訓練がより困難であった個体は、協力的な個体よりも血中グルコース濃度が高かった。また、協力的な雌には体側の縦縞が殆ど見られなかった。40過程以上が、合併症や死亡もなく実施できた。行動の条件付け/行動訓練と鎮静化したエランドの油圧式シュート内での保定の組合せは、侵襲性の非常に低い補助繁殖技術の実施には、信頼性と再現性のある方法であった。

 

キーワード エランド(eland)、繁殖技術(reproductive technology)、保定(restraint)、ストレス(stress)、Taurotragus oryx、訓練(training

 

 

ミシシッピーワニ(Aliigator mississippiensis)亜成獣における呼吸器へ気管支鏡術と気管洗浄液評価

Respiratory Bronchoscopy of Subabult American Alligators (Alligator mississippiensis) and Tracheal Wash Evaluation

 

Maud Lafortune, D.M.V. M.Sc., Dipl. A.C.Z.M., Thomas Gobel, Dr. Vet. Med., P.D., Elliot Jacobson, D.V.M., Ph.D., Dipl. A.C.Z.M., Darryl Heard, Ph.D., Dipl. A.C.Z.M., Dan Brown, M.S., Ph.D., Rick alleman, D.V.M., Ph.D., Dipl. A.C.V.P., dipl. A.B.V.P., Kent Vliet, Ph.D., Kendal E. Harr, D.V.M., Dipl. A.C.V.P., and Jorge Hernandez, D.V.M., M.P.V.M., Ph.D.

 

12~20ページ

 

要旨: およそ3歳、体重4.59 kgの飼育下繁殖の健康な12頭のミシシッピーワニ(Alligator mississippiensis)にそれぞれ気管支鏡術を実施し、10ヶ月で4回の気管洗浄を行って、季節毎に呼吸器を微生物学的、細胞学的に評価した。細胞学的評価では、殆どの検体で少量の粘液と少数の繊毛円柱上皮、立方上皮、および角化扁平上皮細胞が見られた。細菌および寄生虫は観察されず、細胞学的に季節的変化は見られなかった。いずれの季節も、顕著な細菌または真菌の発育は認められなかった。春および秋の検査時に行った血液検査では、赤血球数、ヘモグロビン濃度、平均赤血球容積、平均赤血球ヘモグロビン濃度、好酸球数、および栓球数に季節的変化が見られた。健康なワニ亜成獣の下部気道(気管レベル)は無菌状態であると考えられ、細胞学的には家畜哺乳類と類似していた。

 

キーワード: 気管支鏡術(bronchoscopy)、内視鏡術(endoscopy)、ミシシッピーワニ(American alligator)、Alligator mississippiensis、肺(lung)、気道(respiratory tract

 

 

ライオン(Panthera leo)における正常四肢骨格のX線解剖学.その1: 前肢

Radiologic Anatomy of the Normal Appendicular Skeleton of the Lion (Panthera leo). Part 1: Thoracic Lim

 

Robert M. Kirberger, B.V.Sc., M.Med.Vet.(Rad.), Dipl. E.C.V.D.I., Wencke M. du Plessis, B.V.Sc.(Hons.), and Peter H. Turner, B.V.Sc., M.Med.Vet.(Chir.)(Small Animals)

 

21~28ページ

 

要旨: 安楽死させた16170ヶ月齢の放し飼いのライオン(Panthero leo12頭の前肢標本を用いて、X線による評価を実施した。病変の可能性のある骨の部位は除いて、X線解剖学について記した。成獣と幼獣を比較し、骨端軟骨について記載した。チータ(Acinonyx jubatus)やイヌ、ネコとの相違および類似点についても記した。解剖学的所見を確認するための解剖は実施しなかったが、博物館の浸漬標本で比較を行った。観察では、肩甲骨は顕著な栄養孔のみならず、顕著な肩峰、鈎突起、および鈎上突起を有していた。上腕骨はネコのものに類似していた。上腕骨および尺骨の栄養孔は、ネコよりも内側に起点が見られた。使用した浸漬標本の全てに顆上孔は1つ見られたが、X線像で観察できる場合も考えられた。X線での視認度は一次ビームの入射角で異なった。肘頭(肘突起と肘頭隆起の間に位置する)の外側肘結節は通常内側のものよりも顕著であり、頭方に向かって鈎状になっていた。肘の領域には種子骨は見られなかった。第1指は大きく、2つの掌側中手指節種子骨および長第1指外転筋腱にある顕著な種子骨1つを伴っており、これら全ては機能の高さを示すものである。全ての骨端軟骨は、生後66ヶ月までに骨化し閉鎖していた。

 

キーワード: ライオン(lion)、Panthera leo、四肢骨格(appendicular skeleton)、前肢(thoracic limb)、放射線学(radiology)、解剖学(anatomy)、骨端軟骨閉鎖(physeal closure

 

 

ライオン(Panhera leo)における正常四肢骨格のX線解剖学.その2: 後肢

Radiologic Anatomy of the Normal Appendicular Skeleton of the Lion (Panthera leo) Part 2: Pelvic Limb

 

Robert M. Kirberger, B.V.Sc., M.Med.Vet.(Rad.), Dipl. E.C.V.D.I., Wencke M. du Plessis, B.V.Sc.(Hons.), and Peter H. Turner, B.V.Sc., M.Med.Vet.(Chir.)(Small Animals)

 

29~35ページ

 

要旨: 安楽死させた16170ヶ月齢の放し飼いのライオン(Panthera leo14頭の後肢標本を用いて、本研究のその12において前肢で使用した方法と同様の方法でX線による評価を行った。標本の観察では、ライオンの大腿骨はイヌのものと類似していたが、骨幹中央部頭側および尾側の骨皮質は際立って肥厚していた。膝蓋骨尖は長くて幅が狭く、膝蓋骨底は平坦で幅が広かった。また、腓腹筋外側に顕著な種子骨が見られた。内側に小さな種子骨が見られた場合があり、半月板小骨は通常存在した。腓骨頭および腓骨遠位先端は非常に顕著であった。足根関節はネコと同様であった。第25趾中足骨はそれぞれ対応する中手骨よりも最大で25 mm長かった。全ての骨端軟骨は54ヶ月までに骨化し閉鎖していた。

 

キーワード: ライオン(lion)、Panthera leo、四肢骨格(appendicular skeleton)、後肢(pelvic limb)、放射線学(radiology)、解剖学(anatomy)、骨端軟骨閉鎖(physeal closure

 

 

外来有蹄類における「放射菌症」:治療計画を伴った組織病理学的解釈

“Lumpy Jaw” in Exotic Hoof Stock: A Histopathologic Interpretation with a Treatment Proposal

 

David A. Fagan, D.D.S., James E. Oosterhuis, D.V.M., and Kurt Benirschke, M.D.

 

36~43ページ

 

要旨: 偶蹄目およびカンガルー科の「放線菌症(lumpy jaw)」は、アクチノマイセス症の顕在型とみなされることが多いが、実際は、おそらく歯根膿瘍または顎の外傷に端を発したと思われる骨髄炎である。嫌気性菌が病変部から分離されることがあり、また植物質が病変部に詰まっていたりすることもある。本症は慢性疾患で治療が困難である。成功している治療としては、膿瘍からの排液、生理的食塩水と抗生物質による窩洞の洗浄、過酸化水素/次亜塩素酸ナトリウムとベータダインの混合液による洗浄、および炎症が治まるのを待って行う根尖切除と歯内充填が挙げられる。

 

キーワード: 放線菌症(lumpy jaw)、アクチノマイセス症、慢性歯槽骨髄炎(chronic alvelor osteomyelitis)、複合根尖切除(compound apicoectomy)、外科的廔孔形成(surgical fistulation)、外来有蹄類(exotic hoof stock

 

 

アカウミガメ(Caretta caretta)における静脈内および筋肉内単回投与後のチカルシリンの薬物動態

Pharmacokinetics of Ticarcillin in the Loggerhead Sea Turtle (Caretta caretta) after Single Intravenous and Intramuscular Injections

 

Charles. A. Manire, D.V.M., Robert P. Hunter, M.S., Ph.D., David E. Koch, M.S., Lynne Byrd, B.A., C.V.T., and Howard L. Rhinehart, B.A., C.V.T.

 

44~53ページ

 

要旨: チカルシリン単回投与時の薬物動態を知るために、飼育アカウミガメ(Caretta caretta3頭を使用して、静脈内投与実験1回、筋肉内投与実験3回の計4回の実験を行った。静脈内投与実験では、各個体に50 mg/kgを単回投与し、血液サンプルを投与の00.51246812時間後、および11.522.534681014日後に採取した。筋肉内投与実験では、無作為の完全ブロックデザインに基づいて各個体に3種類の投与量(2550100 mg/kg)のいずれかを投与し、血液サンプル採取は同じ時間間隔で行った。各実験の間隔は最低28日とし、薬物が完全に排出されるようにした。血漿薬物濃度は、有効性が認められた液体クロマトグラフィー/質量分析法によって測定した。静脈内投与では、消失半減期は5.0時間であった。見かけの分布容および血漿クリアランスは、それぞれ0.17 l/kgおよび0.0218 l/hr/kgであった。筋肉内投与では、最大血漿中濃度到達時間の平均は、50 mg/kg投与群の1.7(±0.58)時間から100 mg/kg投与群の3.7(±2.5)時間であった。平均生体利用度は、50 mg/kg投与群の45%(±15%)から100 mg/kg投与群の58%(±12%)の範囲であり、また平均滞留期間は、25 mg/kg投与群の7.5(±2.6)時間から100 mg/kg投与群の16(±6.8)時間の範囲であった。異なる2種類の投与量において2個体でALTの僅かな上昇が見られたが、臨床的に明確な上昇ではなく、それ以外は血液生化学値に影響はなかった。アカウミガメにおける筋肉内投与計画として考えられるものは、50 mg/kg24時間毎、あるいは100 mg/kg48時間毎である。投与期間中は、肝酵素値のモニターが必要である。

 

キーワード 薬物動態(pharmacokinetics)、チカルシリン(ticarcillin)、爬虫類(reptile)、アカウミガメ(loggerhead sea turtle)、Caretta caretta

 

 

チータ(Acononyx jubatus)の糞中17β-エストラジオールおよびプロゲストゲン測定における市販酵素免疫測定キットの有効性の確認: 事例報告

Validating a Commercially Available Enzyme Immunoassay for the Determination of 17β-estradiol and Progestogens in the Feces of Cheetahs (Acinonyx jubatus). A Case Report

 

C. Borque, Ph.D. Chemistry, S.S. Perez-Garnelo, Ph.D. Veterinary, M. Lopez, M.S. Veterinary, C. Talavera, M.S. Veterinary, M. Delclaux, M.S. Veterinary, and J. de la Fuente, Ph.D. Veterinary.

 

54~61ページ

 

要旨: チータ(Acinonyx jubatus)雌成獣(n = 2)において、糞中への17β-エストラジオールおよびプロゲストゲン排泄を、市販のヒト血清・血漿用の酵素免疫測定キット(プレート)を用いて120日間モニターした。ZGG-12301199343日誕生)にはゴナドトロピン処理を行い、ZGT-33011993819日誕生)には処理を行わなかった。両ホルモン測定値とも、その基準濃度と最大濃度には有意差(P<0.001)が見られた。ZGG-12301では妊娠が見られたが非観察下で自然流産したと考えられ、この個体は17β-エストラジオールの基準値と妊娠期の値に有意な差はみられなかった(P>0.05)。妊娠期の糞中への17β-エストラジオール排泄は、非妊娠期の排泄と有意差が見られた(P<0.001)。基準プロゲストゲン濃度は、妊娠期および排卵後の濃度と有意差(それぞれP<0.001およびP<0.01)が認められ、また妊娠期のプロゲストゲン濃度は排卵後の濃度と有意な差(P<0.001)を示した。非処理のチータ(ZGT-3301)では、プロゲストゲンの基準濃度と上昇をみた濃度の間に統計学的な差が見られた(P<0.01)。17β-エストラジオールの排泄パターンに基づけば、発情周期継続時間(x±SEM)は13.2±2.2日であった。これらの結果は、本論文に報告した酵素免疫測定法はチータ糞中に排泄される繁殖ホルモンを定量でき、またより複雑な過程を必要とする他の免疫酵素測定法に代わる実用的方法となりうることを示唆している。

 

キーワード: チータ、Acnonyx jubatus、糞中ステロイド(fecal steroids)、酵素免疫測定法(enzyme immunoassay

 

 

イソフルレン、セボフルラン、および亜酸化窒素によるデェメリルオオトカゲ(Varanus dumerili)の吸入麻酔: 導入および回復における吸入ガスの影響

Inhalation Anesthesia in Dumeril’s Monitor (Varanus dumerilr) with Isoflurane, Sevofulurane, and Nitrous Oxide: Effects of Inspired Gases on Induction and Recovery.

 

Mads F. Bertelsen, D.V.M., D.V.Sc., Craig Mosley, D.V.M., M.Sc., Dipl. A.C.V.A., Graham J. Crawshaw, B.Vet.Med., M.S., Dipl. A.C.Z.M., Doris Dyson, D.V.M., D.V.Sc., Dipl. A.C.V.A., and Dale A. Smith, D.V.M., D.V.Sc.

 

62~68ページ

 

要旨: イソフルレン、セボフルラン、および亜酸化窒素(N2O)によるデェメリルオオトカゲ(Varanus dumerili)の吸入麻酔の導入および回復について、無作為クロスオーバー・デザインを用いた実験でその特徴を明らかにした。気温26℃下で、酸素100%でのイソフルレン、酸素100%でのセボフルラン、酸素21%・窒素79%(室内空気)でのセボフルラン、およびN2O 66%・酸素34%でのセボフルランの平均導入時間は、それぞれ13.00±4.55分、11.20±3.77分、10.40±2.50分、および9.40±2.80分であった(n = 10)。セボフルランのマスクによる導入はイソフルレンよりも明らかに速やかであった。セボフルランによる導入時間は、酸素を使用した場合と室内空気の場合とで有意差は見られなかったが、セボフルラン・N2O混合の方が酸素100%でのセボフルランよりも、有意に速い導入を得た。全処置で無麻酔動物よりも有意に高い呼吸数を得た。酸素、イソフルレンと酸素100%、セボフルレンと室内空気、およびセボフルレン・N2O混合の吸入を受けた個体間で、呼吸数に有意差は見られなかったが、セボフルレンと酸素の吸入を受けた個体では酸素100%の場合よりも低い呼吸数を得た。導入時の完全筋弛緩の順序は一貫しており、前肢の緊張がまず消失し、続いて頸部と後肢、そして光反射、最後に尾の緊張が消失したが、4処置間で明らかな相違は見られなかった。イソフルレンとセボフルランの間で、あるいはセボフルラン・酸素100%とソボフルラン・N2O混合の間で、回復時間に有意差は見られなかった。酸素100%下および21%下で麻酔から回復させた個体は、どちらも同様の回復時間を示した。

 

キーワード: 麻酔(anesthesia)、イソフルレン(isoflurane)、セボフルラン(sevoflurane)、亜酸化窒素(nitrous oxide)、デェメリルオオトカゲ(Dumeril’s monitor)、Varanus dumerili

 

 

脳心筋炎ウイルス不活化ワクチンに対するバーバリーシープ(Ammotragus lervia)、ブラックバック(Antelope cervicapra)、ワラルー(Marcopus robustus)、およびチンパンジー(Pan troglodytes)の血清学的反応

Serological Responses of Barbary Sheep (Ammotragus lervis), Indian Antelope (Antilope cervicapra), Wallaroos (Macropus robustus), and Chimpanzees (Pan troglodytes) to An Inactivated Encephalomyocarditis Virus Vaccine

 

David J. McLelland, B.Sc.(Vet.), B.V.Sc., Peter D. Kirkland, B.V.Sc., Ph.D., Karrie A. Rose, D.V.M., D.V.Sc., Robert J. Dixon, B.Sc.(Vet.), B.V.Sc., Ph.D., and Narelle Smith, B.Ec., Ph.D.

 

69~73ページ

 

要旨: 脳心筋炎ウイルスは世界的に分布するピコルナウイルスのひとつであり、多岐に渡る種に感染能を有する。死亡を伴う脳心筋炎ウイルス感染の発生は、世界の動物園や国立公園で報告されており、シドニーのタロンガ動物園(Taronga Zoo)でも散発的な発生例がある。脳心筋炎ウイルスの不活化ワクチンを、バーバリーシープ(Ammotragus lervia)、ブラックバック(Antilope cervicapra)、ワラルー(Macropus robustus)、チンパンジー(Pan troglodytes)に接種し、その評価を行った。接種を受けた有蹄類の一部には、初回接種の4週間後に2度目の接種を実施した。中和抗体価を12ヶ月にわたってモニタリングした。接種1ヵ月後、全接種群は顕著な抗体価を示し、それは最低6ヶ月間継続した。2回接種を受けた個体では1回接種のものに比べて、初回接種3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月後の抗体価が高かった。

 

キーワード: 脳心筋炎ウイルス(encephalomycarditis virus)、ワクチン(vaccine)、Ammotragus lerviaAntilope cervicapraMacropus robustusPan troglodytes

 

 

飼育シマウマ(Equus burchellii)の類肉腫: ウシパピローマウイルス1型感染との関連

Sarcoids in Captive Zebras (Equus burchellii): Association with Bovine Papillomavirus Type 1 Infection

 

Christiane V. Löhr, Dr. med. vet., Ph.D, Dipl. A.C.V.P., Carles Juan-Sallés, D.V.M., Dipl. A.C.V.P., Arely Rosas-Rosas, D.V.M., Alberto Parás García, Michael M. Garner, D.V.M. Dipl. A.C.V.P.,  and Jens P. Teifke, Dr. med. vet., P.D., Dipl. A.C.V.P.

 

74~81ページ

 

要旨: 異なる施設の2頭の飼育シマウマが、類肉腫と診断された。シマウマNo.1Equus burchellii boehmi)は飼育下繁殖の4.5歳で、鼠径部に9×7 cmの腫瘤が見られた。鼠径部腫瘤の外科的切除の7ヵ月後、同個体は右上眼瞼に同様の病変を生じたが、再発を繰り返し、局所チスプラチン注射および凍結外科を含む治療にも反応しなかった。シマウマNo.2(分類は不明)は個人の野生動物牧場で飼育されていた。この個体の鼻部に2.5×2.0×2.0 cmの潰瘍化した腫瘤が見られ、外科的切除により治癒した。組織学的に、これらの3つの腫瘤は真皮性で緻密な、非被包性の境界の明確でない新生物で、よく分化した紡錘細胞が水流状および渦巻状に配列し、長いrete pegsを有する中程度の上皮の過形成を伴っていた。独特なウマの皮膚新生物に形態上類似することから、「類肉腫」と診断した。本報告は、飼育シマウマでは初めて類肉腫を記載するものである。ウマで発生のあるように、ウシパピローマウイルス1型との関与をPCR、核酸配列決定、およびin situハイブリダイゼーションを用いて、シマウマNo.1の鼠径部腫瘤のパラフィン包埋組織で調べた。配列決定により、224 bpフラグメントの98%がウシパピローマウイルス1型と同一であることが明らかとなった。In situハイブリダイゼーションではウシパピローマウイルスタイプのDNAが、新生物の間葉紡錘細胞の核において強く染色された。これらのシマウマの類肉腫の発生部位および臨床上の性質は、ウマで記されているものに類似していた。

 

キーワード: 類肉腫(sarcoid)、シマウマ(zebra)、ウシパピローマウイルス(bovine papillomavirus)、BPV1型(BPV type 1)、PCRin situハイブリダイゼーション(in situ hybridization

 

 

Nannizziopsis veiesiiChrysosporiumアナモルフに起因するヒゲミズヘビ(Erpeton tentaculatum)の致死的皮膚真菌症

Fatal Cutaneous Mycosis in Tentacled Snakes (Erpeton tentaculatum) Caused by the Chrysosporium anamorph of Nannizziopsis vriesii

 

Mads F. Bertelsen, D.V.M., D.V.Sc., Graham J. Crawshaw, B. Vet. Med, Dipl. A.C.Z.M., Lynne Sigler, M.S., and Dale A. Smith, D.V.M., D.V.Sc.

 

82~87ページ

 

要旨: 飼育下繁殖の淡水性のヒゲミズヘビ(Erpeton tentaculatum4匹における致死性の多発性好中球性皮膚炎の原因として、真菌のNannizziopsis vriesiiChrysosporiumアナモルフを分離した。鱗を冒した14 mmの淡色の局所性病変が、主に頭部および背部に見られた。組織学では、顕著な好中球の浸潤を伴う表皮の多発性凝固壊死が明らかとなったが、病変は真皮には達していなかった。不規則に分枝した有隔菌糸および48×23μmの桿状細胞(分節分生子)が、病変内および表面の痂皮に見られた。酸性環境が維持できなかったことが、これらの病変形成の誘因であったと思われる。

 

キーワード: ヒゲミズヘビ(tentacled snake)、Erpeton tentaculatumNannizziopsis vriesiiChrysosporiumアナモルフ(Chrysosporium anamorph of Nannissiopsis vriesii)、真菌(fungus)、皮膚炎(dermatitis)、致死性皮膚真菌症(fatal dermatomycosis

 

 

フタコブラクダ(Camelus bactrianus)の季節性掻痒コントロールに対する減感作注射の利用

Use of Hyposensitization Injections to Control Seasonal Pruritus in a Bactrian Camel (Camelus bactrianus)

 

Laurie J. Gage, D.V.M., Sophie I. J. Vandenabeele D.V.M., Dipl. A.C.V.D. and Stephen D. White, D.V.M., Dipl. A.C.V.D.

 

88~94ページ

 

要旨: 9歳のフタコブラクダ(Camelus bactrianus)が19936月、重篤な掻痒を発症した。その後8年間、毎年掻痒と流涙症を示したが、通常、症状は6月に始まり10月には軽快した。これらの症状は、通常は局所薬とハエ忌避剤によってコントロールできたが、突発的な掻痒は、ジフェンヒドラミンおよびコルチコステロイドの断続的な注射によって効果的なコントロールが可能であった。寒冷期には症状は見られなかった。ラクダが18歳に達すると掻痒はより重篤になり、そのコントロールが一層困難となった。数箇所から採取した皮膚生検の組織病理学的所見は、細菌感染および/またはコルチコステロイド投与による二次的変化を伴う過敏反応を示唆していた。カリフォルニア北部地域で見られる62種のアレルゲンを用いた皮内テストでは、17箇所で陽性であった。そこで、曝露可能性、入手性、および標準的手順で行った皮内テストの結果に基づいて選択したアレルゲンを使用し、減感作療法を開始した。掻痒の臨床症状は、減感作開始2年後には明らかに軽減した。

 

キーワード: フタコブラクダ(bactrian camel)、Camelus bactrianus、掻痒(pruritus)、減感作(hyposensitization)、アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis

 

 

2頭のガンビアネズミ(Cricetomys gambianus)における条虫嚢胞

Cestode Cysts in two African Giant Pouched Rats (Cricetomys gambianus)

 

Claude Lacasse, D.V.M., Erika Travis, D.V.M., Kathryn C. Gamble, D.V.M., M.S., Dipl. A.C.Z.M., and Thomas Craig, D.V.M., Ph.D., Dipl. A.C.V.P.

 

95~99ページ

 

要旨: 野生捕獲のカンビアネズミ(サバンナアフリカオニネズミ、Cricetomys gambianus)において剖検時に複数の条虫嚢胞が見られ、Taenia serialisと同定された。カンビアネズミは、この寄生虫の中間宿主の可能性がある。米国でペットとして飼育されている外来齧歯類が、本寄生虫に感染していることも考えられる。

 

キーワード: ガンビアネズミ(African giant pouched rat)、Critcetomys gambianusTaenia serialis

 

 

西オーストラリアのニシシマバンディクート(Perameles bougainville)における眼へのクラミジア感染

Ocular Chlamidiales Infection of Western Barred Bandicoots (Perameles bougainville) in Western Australia

 

Kristin Warren B.V.M.S. (Hons) Ph.D., Ralph Swan B.V.Sc. Ph.D., Tracey Bodetti B.Sc. (Hons), Tony Friend B.Sc. (Hons) Ph.D., Stephanie Hill B.Sc., and Peter Timms M.Sc. Ph.D.

 

100~102ページ

 

要旨: ニシシマバンディクート(Perameles bougainville)は絶滅危惧種であり、西オーストラリア沖の2島(ドール島およびバーニア島)にのみ分布している。現在本種の保護のために、西オーストラリア南西部およびオーストラリア南部のかつての本島部の分布域において、捕食者侵入防止措置を施した囲いや生息地への再導入が行われている。20009月、移入を目的として19頭のニシシマバンディクートをバーニア島で捕獲し、うち11頭において、眼症状として、角膜混濁、結膜炎、眼漏および眼瞼炎のうち少なくとも1つが認められた。5個体を検査し、結膜スワブおよび総排泄腔スワブを採取した。クラミジアに対するポリメラーゼ連鎖反応は、4頭で陽性であった。遺伝子配列決定により、4タイプのクラミジアが分離されたが、以前にコアラで見られた株とは異なるChamydiales pecorum1株と、いくつかの新しい遺伝型のクラミジアを含んでいた。バンディクートには週1度のオキシテトラサイクリン投与を6週間行ったが、それに極めてよく反応し、またオキシテトラサイクリンとネオマイシンを114ヶ月間、両眼へ局所投与した。

 

キーワード: 眼のクラミジア症(ocular chlamydiosis)、クラミジア(Chlamydiales)、ニシシマバンディクート(western barred bandicoot)、Perameles bougainville

 

 

エジプトトゲオアガマ(Urimastyx aegyptius)飼育群に見られたリンパ系腫瘍の高頻度発生

High Incidence of Lymphoid Neoplasia in a Colony of Egyptian Spiny-tailed Lizards (Uromastyx aegyptius)

 

Zoltan S. Gyimesi, D.V.M., Michael M. Garner, D.V.M., Dipl. A.C.V.P., Roy B. Burns, III, D.V.M., Donald K. Nichols, D.V.M., Dipl. A.C.V.P., Roger E. Brannian, D.V.M., M.S., Dipl. A.C.Z.M., James T. Raymond, D.V.M., M.S., Dipl. A.C.V.P., Kockanda B. Poonacha, D.V.M., Ph.D., Dipl. A.C.V.P., Melissa Kennedy, D.V.M., Ph.D., John W. Wojcieszyn, Ph.D., and Robert Nordhausen, M.A.

 

103~110ページ

 

要旨: 造血系悪性腫瘍はトカゲ類では最も一般に見られる腫瘍であるが、他の爬虫類では散発的である。1993年から2001年にかけて、エジプトトゲオアガマ(Uromastyx aegyptius)のある飼育群において異常に高頻度にリンパ系腫瘍が発生した。ルイビル動物園(Louisville Zoological Garden)で剖検した15個体中8個体(53%)に、多原発性リンパ腫が見られた。免疫組織化学法では、正常リンパ球または腫瘍性リンパ球の系統は明らかにできなかった。光学および電子顕微鏡下では、腫瘍は形質細胞様の形態学的特徴を示し、B細胞起源が示唆されたが、原始リンパ芽球を含む腫瘍もいくつか見られた。同時に白血病性血液像が、全症例中7例(88%)に認められた。全個体が成獣であり、性別の偏りは認められなかった。外因性発癌物質への曝露は見られなかった。罹患個体の一部には血縁関係はなかったことから、遺伝的要因によるとは考えられなかった。採取組織および血漿における電顕観察およびウイルス分離ではウイルスは検出されなかったが、病因は感染性であることは、依然考慮に値するものである。

 

キーワード: エジプトトゲオアガマ(Egyptian spiny-tailed lizard)、Uromastyx aegyptius、病理(pathlogy)、新生物(neoplasia)、B細胞リンパ腫(B-cell lymphoma)、白血病(leukemia

 

 

アメリカガラス(Corvus brachyrhynchos)における鳥ポックスウイルスとCollyriclun fabaの混合感染

Combined Infection by Avian Poxvirun and Collyriclum faba in an American Crow (Corvus brachyrhynchos)

 

Daniel M. Grove, D.V.M., Anne M. Zajac, D.V.M., Ph.D., John Spahr, M.D., Robert B. Duncan, Jr., D.V.M., Ph.D., Dipl. A.C.V.P., and Jonathan M. Sleeman, Vet.M.B., Dipl. A.C.Z.M., M.R.C.V.S.

 

111~114ページ

 

要旨: 米国バージニア州のアメリカガラス(Corvus brachyrhynchos)の成鳥1羽が、鳥ポックスウイルスと皮膚吸虫Collyriclum fabaの混合感染と診断された。吸虫とウイルス封入体が結合した大きな(4 cm×4 cm)複葉性増殖性腫瘤が、総排泄腔のすぐ頭方の腹部に見られた。吸虫の同定は、鳥の生存中に楔状生検で得られた寄生虫の光学顕微鏡観察によって行った。この腫瘤の組織病理学的検査により、ポックスウイルス感染と一致する上皮細胞の細胞質内封入体が見られた。

 

キーワード: アメリカガラス(American crow)、鳥ポックスウイルス(avian poxvirus)、Collyriclum fabaCorvus brachyrhynchos、皮膚吸虫(skin trematode

 

 

Mycobacterium kansasiiに起因するミュールジカ(Odocoileus hemionus chlumbianus)のミコバクテリア症

Mycobacteriosis in a Black-tailed Deer (Odocoileus hemionus columbianus) caused by Mycobacterium kansasii

 

P. Briggs Hall, D.V.M., Louis C. Bender, Ph.D., and Michael M. Garner, D.V.M., Dipl. A.C.V.P.

 

115~116ページ

 

要旨: ハンターが捕獲し内臓を取り除いた雌のミュールジカ(Odocoileus hemionus columbianus)がワシントン州魚類野生生物局に提出された。このシカは削痩、貯蔵脂肪の枯渇を示し、胸腔壁表面に複数の肉芽腫が見られた。肉芽腫から組織学的に抗酸菌が検出され、分離同定によって、多岐に渡る脊椎動物に結核様疾患を引き起こすとして時々報告のあるMycobacterium kansasiiであることが分かった。本例は、野生ジカにおいてM. kansasiiに起因する症候性疾患の初めての報告であった。本例は、非定型ミコバクテリアが野生ジカにおいて結核様疾患を引き起こしうることを示しており、また野生動物において結核様疾患の病原体を特定することの重要性を示すものである。

 

キーワード: ミュールジカ(black-tailed deer)、Mycobacterium kansasii、非結核性ミコバクテリア(non-tuberculous mycobacteria)、Odocoileus hemionus columbianus

 

 

ホウシャガメ(Geochelone radiata)において前肢切断および義足により治癒した未分化肉腫

Undifferentiated Sarcoma Resolved by Forelimb Amputation and Prosthesis in a Radiated Tortoise (Geochelone radiata)

 

Kelleyerin Clabaugh, K. Michelle Haag, Christopher S. Hanley, D.V.M., Kenneth S. Latimer, D.V.M., Ph.D., Dipl. A.C.V.P., and Stephen J Hernandez-Divers, B.Vet.Med., D.Zoo.Med.(Reptilian), M.R.C.V.S., Dipl. A.C.Z.M.

 

117~120ページ

 

要旨: ホウシャガメ(Geochelone radiata)の雌成獣において、左前肢が著しく腫脹し、運動性が制限されて肢を引っ込めることができなくなった。臨床病理検査により白血球減少症(1.9×109/l)、および蛋白電気泳動におけるα分画の急性期蛋白質の上昇(26.4 g/l)による高蛋白血症(69 g/l)が明らかになった。生検では分化度の低い軟組織肉腫が得られた。上腕骨近位での断脚によって治癒した。術後の運動性を高めるために、滑らかにして横割りにしたテニスボールから成型した全く新しいメチルメタクリレート義足を、3本の皮質骨ネジによって腹甲に取り付けた。本例はGeochelone属における肉腫の初めての記録である。

 

キーワード: 肉腫(sarcoma)、切断(amputation)、ホウシャガメ(radiated tortoise)、Geochelone radiata、義足(prosthesis

 

 

グアテマラのペテン(Petén)地域における飼育ネコ科動物の血清学的調査

Serologic Survey of Domestic Felids in the Petén Region of Guatemala

 

Adrienne L.A. Lickey, M.S., D.V.M., Melissa Kennedy, D.V.M., Ph.D., Sharon Patton, Ph.D., and Edward C. Ramsay, D.V.M., Dipl. A.C.Z.M.

 

121~123ページ

 

要旨: グアテマラのペテン(Petén)地域のネコ(Felis domesticus30頭の血液サンプルを分析し、在来野生ネコ科動物に対して潜在的危険性を持つかもしれない一般的な病原体について、その保有率を血清学的に調べた。うち8頭は以前にワクチン接種を受けていたが、所有者がそのワクチンのタイプと接種日を完全には覚えていなかった。さらに2頭の飼育マーゲイ(Leopardus wiedii)からも血液サンプルを採取した。血液は、ネコ免疫不全ウイルス、Dirofilaria immitis、ネコ汎白血球減少症ウイルス、ネコヘルペスウイルス、ネココロナウイルス、イヌジステンパーウイルス、およびToxoplasma gondiiに対する抗体と、ネコ白血病ウイルス抗原について検査した。50%以上のネコが、ネコヘルペスウイルス(22/30)、ネコ汎白血球減少症ウイルス(15/30)、およびToxoplasma gondii16/30)について血清学的に陽性であった。5頭のネコが、ネコ白血病ウイルス抗原について陽性であった。どちらのマーゲイも、ネココロナウイルスに対して血清学的に陽性であり、また1頭がT. gondiiに対して血清学的に強い陽性を示した。全個体がD. immitisに対しては陰性であった。本調査によって、ネコ科動物の疾病でペテン地域に固有なものについての予備情報が得られた。

 

キーワード: Felis domesticusLeopardus wiediiToxolpasma gondii、ネコヘルペスウイルス(feline herpesvirus)、グアテマラ(Guatemala

 

 

飼育フタツハバシゴジキドリ(Lybius bidentatus)の腎吸虫症

Renal Trematodiasis in Captive Double-toothed Barbets (Lybius bidentatus)

 

David S. Rotstein, D.V.M., M.P.V.M., Dipl. A.C.V.P., James R. Flowers, Ph.D., Barbara A. Wolfe, D.V.M., Ph.D, Dipl. A.C.Z.P., and Mike Loomis, D.V.M., M.S., Dipl. A.C.Z.P.

 

124~126ページ

 

要旨: 2羽のフタツハバシゴシキドリ(Lybius bidentatus)がフライングケージ内でヘビに飲み込まれたが、ヘビはそれを吐き戻した。両個体において、腎盂および近位尿管内に吸虫が組織病理学的に認められ、それに関連した粘膜過形成および軽度の異種組織球性炎症を伴っていた。その吸虫は発育環に陸生巻貝が関係しているTanaisia (Tamerlania) zarudnyiと同定された。鳥類では、ハト目、スズメ目、トウゾクカモメ科、カモ目、キジ目、およびキツツキ目など複数の目において腎臓内に吸虫が報告されている。ゴシキドリのケージでは巻貝は珍しくなく、曝露源となった可能性がある。臨床症状が見られず、また尿管および腎盂の閉塞を伴う顕著な組織病変が腎に認められなかったことから、おそらく腎吸虫は、これらの鳥では偶然に発見されたものであろう。

 

キーワード: フタツハバシゴシキドリ(double toothed barbet)、Lybius bidentatusTanasia (Tamerlania) zarudnyi、腎臓(kidney)、キツツキ目(Piciformes

 

 

1頭のビントロング(Arctictis binturong)における腎腺癌、肝細胞癌、および膵島細胞癌

Renal Adenocarcinoma, Hepatocellular Carcinoma, and Pancreatic Islet Cell Carcinorma in a Binturong (Arctictis binturong)

 

Eric Klaphake, D.V.M., Ahmed Shoieb, D.V.M., Ph.D., Ed Ramsay, D.V.M., Dipl. A.C.Z.M., Juergen Schumacher, D.V.M., Dipl. A.C.Z.M., and Linden Craig, D.V.M., Ph.D., Dipl. A.C.V.P.

 

127~130ページ

 

要旨: 19歳のビントロング(Arctictis binturong)が急性上部気道疾患を発症し、安楽死させた。剖検所見としては、脾、胸膜、および心膜への転移を伴う肝細胞癌、膵島細胞癌、および腎腺癌が認められた。原発性の肝腫瘍と腎腫瘍の関連性については、高齢のヒトにおいてよく知られている。

 

キーワード: ビントロング(binturong)、Arctictis binturong、腎腺癌(renal adenocarcinoma)、肝細胞癌(hepatocellular carcinoma)、膵島細胞癌(pancreatic islet cell carcinoma)、腫瘍(neoplasia

 

 

オランウータン(Pongo pygmaeus pygmaeus)幼獣における単純ヘルペス感染

Herpes Simplex Infection in a Juvenile Orangutan (Pongo pygmaeus pygmaeus)

 

Maria J.L. Kik, D.V.M., Ph.D., Dipl. Vet. Path., Jan H. Bos, D.V.M., Jan Groen Ph.D., and Gerry M. Dorrestein, D.V.M, Ph.D, Dipl. Vet. Path.

 

131~134ページ

 

要旨: オランウータン(Pongo pygmaeus pygmaeus)の幼獣が、8日間の下痢と嘔吐の後に死亡した。剖検では、皮膚、心筋、および腹膜の点状出血が認められた。肺は充血および浮腫を示し、肝および脾は腫大していた。組織学的変化としては、間質性肺炎、肝炎、および脾の過形成が見られた。多数のエオジン好性細胞質内封入体が、肺上皮細胞、肝細胞、および脾内皮細胞に認められた。また、電子顕微鏡による検査で、肝細胞核内のヘルペスウイルスが明らかとなった。肝組織のポリメラーゼ連鎖反応により、単純ヘルペス1型ウイルスの存在が示された。

 

キーワード:単純ヘルペス1型ウイルス(herpes simplex type 1 virus)、Pongo pygmaeus pygmaeus、オランウータン(orangutan)、ヒトヘルペスウイルス1(human herpesvirus 1

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